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霊夢1 1スレ目 7 霊夢へ 「博麗流陰陽術を、俺に継がせてくれ!!」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 76 そうだ霊夢。 僕の体は完璧だけど一つだけ出来過ぎている部分がある。 それを君の足りない部分に合わせようじゃないか。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 107-110 セミの声がだいぶ少なくなった夏の終わり。 僕は博麗神社の境内に足を運んでいた。 今年の夏は本当に忙しかった。 紅魔館経営の海の家でチャーハンや焼きそばを美鈴さんと作るかたわらで、海水浴の監視員も兼業していた。 体が二つあっても足りないくらいのてんやわんや。 となりの角の生えた女の子は酒ばっかり飲んでいてちっとも仕事をしない視姦員と化していて、おぼれたり流されたりした人を助けるのは全部僕の役目だった。 夜雀の子を助けたこともあったし、迷子の式の主を一緒に探してあげたこともあった。 本当に忙しかった。でも、ばっちり働いたかいはあった。 ポケットをなでると、ぎっしりと詰まった財布の感触。 レミリアお嬢様の機嫌もよくて、咲夜さんからボーナスまでもらったからだ。予想以上の報酬に心なしか足取りも軽くなる。 風鈴の鳴る鳥居をくぐると、懐かしい紅白が目に飛び込んできた。 「あら、帰ってきてたの」 竹箒片手に出迎えてくれたのは、この神社の巫女、博麗霊夢だった。 「ついさっきね。霊夢は? この夏はどうしてた?」 「私はずっとここにいたわ。巫女が神社を留守にしていられないもの。よほどの異変がない限りはね」 「そうなんだ。海はきれいだったよ。人もすごく多かったし」 「そうかもね。あなた、日に焼けて真っ黒よ。見違えるくらい」 何がおかしいのか、霊夢はくすくす笑いながら竹箒を使って境内を掃いていく。ゆっくりゆっくり、丁寧に丁寧に。 僕の前を通って、神社の向こうへと歩きながら掃いていく。 夏の終わりという季節がそうさせたのか、そんな彼女を見て一抹の寂しさを感じた。 「つまらなくない? ずっと神社にいて」 春夏秋冬変わらずにずっと博麗の巫女であり続ける霊夢。何をするわけでもなく、ただ変わらずにそこにあり続ける少女。僕のように幻想郷の外から来た人間からすれば、気の遠くなりそうな生き方だ。 「別に。そういうこと、あまり考えたこともないし」 霊夢は竹箒を動かす手を休めることなく、そう答える。声からは、霊夢が何を考えているのか分からない。達観しているのか、どうでもいいのか。 「夏だけでも休みを取ったら。魔理沙やアリスと一緒にどこかに出かけてもいいのに」 「魔理沙は魔法の研究。アリスは人形作り。二人ともやることがいっぱいよ。そういうの、あまり誘うものじゃないわ」 そんなものだろうか。 ふと、霊夢がこちらを見た。 「それにね。秋になればお月見よ。また宴会で忙しくなるわ。主に片付けでね」 ああ、そうだ。この神社ほど、月が綺麗に見える場所はないものだ。 「そのときはまた手伝うよ。洗い物なら、実家が食堂だったから慣れてるし」 「はぁ、ほんと、あなたみたいな心がけの人が少しくらい妖怪の中にもいればいいのに。みんな騒いだら騒ぎっぱなし。散らかしたら散らかしっぱなしだもの」 「仕方ないさ。妖怪ってのは戯れるものだからね」 「ええ、だから私たち人間が苦労するのよ」 「まったくだね」 そんな他愛もない会話に興じているうちに、やがてミンミンゼミは鳴くのをやめ、ひぐらしのなく頃になっていた。 「それで、今日はどういう用事だったの?」 竹箒を片付け、神社の脇にある手水鉢で手を洗いながら霊夢が尋ねる。 「ん~? 参拝、かな」 わざと、気のない返事をしてみせる。案の定、 「そう、なら、素敵な――――」 「お賽銭箱はここよってことだろ。分かってるって」 僕は余裕たっぷりにポケットから財布を取り出し左右に振ってみせる。 心地よい重みが手に伝わってくる。 「今年はがんばって働いたかいがあってね。かなり懐が潤っているんだ」 財布のお札を入れるとこに手を入れると、霊夢がぐぐっと身を乗り出してきた。 なんだ、まさかそんなに困窮していたのかな? 「だからね、今回は大盤振る舞いってやつさ。ほら」 中から取り出したのは一万円札。これを賽銭箱に入れるような奇特な人はめったにおるまい。 驚け巫女よ! 僕の信心に驚くのだ。 「えっ…………!」 とたん、霊夢の顔色が変わった。あれ、思っていたのと違う驚き方だ。 「そ、そんなにたくさん…………なの?」 「そうだけど。あっ、賽銭の上限って決まっていたっけ?」 「そんなことないけど……」 おかしいな。当初の予定だと、それだけあれば一ヶ月は食べていけるわよ、という喜びで満ちた驚きで迎えられるはずだった。 でも、目の前の霊夢の反応は違う。 なんだろう。困っているような、どぎまぎしているような、よく分からない。 「とにかく。はい、奉納」 「あっ…………」 僕が指を離すと、一万円札はひらひらと賽銭箱の隙間に吸い込まれていった。 一部始終を食い入るように見つめている霊夢。 顔はなぜか、お酒を飲んだときのように赤くなっていた。 それなぜなのか、今の僕には分からなかった。 「おーい霊夢。スイカが手に入ったからおすそわけー」 次の日の夜。僕はもう一度博麗神社を訪れていた。 今回は参拝じゃなくておすそわけだ。神社の裏手に回って玄関で霊夢を呼ぶ。 「こんばんはー。おすそわけだぞー」 返事はない。出かけてしまったんだろうか。 「おーい。いるかー」 「…………いるわよ」 何回目かでようやく返事があった。消え入るように小さな声でかすかに。 「スイカだよスイカ。妖夢がくれたんだ~」 「……あがって…………」 また、かすかに聞こえる霊夢の声。どうしたんだろう。出てこられないのかな。 風邪を引いたとか。 「じゃ、失礼して」 言われたとおりに靴を脱いで家の中へ。台所とかをのぞいたけれども、霊夢の姿はない。 「霊夢―、どこにいるんだよー」 「…………こっち」 声のするほうにとりあえず進んでみる。縁側を通って和室の前で足を止めた。 どうやら、ここにいるらしい。ああ、こりゃ本当に風邪を引いたんだな。 大丈夫だろうか。 「ほら霊夢、夏の終わりでもまだスイカが…………」 何気なくあけたふすまの先に見えた光景。 その意外さに、一瞬僕の体は凍った。持っていたスイカを床に落としそうになる。 和室の中央に敷かれたのは、誰も横になっていない布団。 なぜに、枕が二つ並んでいるんでしょうね? そして、なぜに枕元にティッシュの箱があるんでしょうね? 掛け軸に書かれた「御無体」って何? そして何よりも………… 「遅かったじゃ……ないのよ」 布団のすぐ横に、寝巻き姿で正座しているのは、 「霊夢……これは、いったい何事…………?」 どこから見ても、正真正銘博麗の巫女である博麗霊夢だった。 なぜ? どうして? そんな疑問が、顔を真っ赤にしてもじもじしている霊夢を前にして浮かんでは消えていく。 「おさいせん…………」 「は?」 「だから、あなたが納めたお賽銭…………」 「ああ、一万円。それが何?」 「だから、神社の変な決まりなの。その……一万円だと…………これ」 もじもじしたまま、視線だけを横に向ける霊夢。 そこにあるのは、紛れもない二人用に敷かれた布団。 これ……といわれても思いつくのは一つしかないけれど、まさか添い寝ってことじゃなくてこれはそのまさかで………… 「ええと…………ふ、ふつつかだけれども、よ、よろしく…………お願い」 その、恥ずかしげに発せられた言葉。 普段一度も見たこととのない霊夢の照れた寝巻き姿。 吸い寄せられるようにして、僕は部屋の中へと一歩を踏み出していた。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 387 ある日の晩、○○は神社の縁側に腰掛け、星を見上げては呆けていた。 霊夢は入浴中、彼女の長風呂は幻想郷でも有名なほどの長さだ。入浴待ちってのもあるが、 この退屈な時間を活用してそろそろやっておかなければならないことがある。 そして子の刻になる頃、西から東からアリス、魔理沙、パチュリーの3人がやって来た。 ○「やあ、本当に時間通りに来てくれたね」 ア「何?今日はあなたが宴会の幹事になるのかしら?」 パ「そういえば霊夢は?」 ○「霊夢は入浴中。宴会も悪くないが今日はもっと大事な用件だからパスだ。 実は…その、これから付き合いたい人を決めようと思ってね」 それを聞き3人の目の色が変わる。 ○「たった今から椅子取りゲームの要領で僕の膝の上を占領できた子と付き合おうと思う」 パ「思ったより簡単なのね」 ○「あぁ手っ取り早くて分かりやすいだろ。さぁもう勝負は始まってる、かかってこい」 ○○がひときわ強く声を上げると合図されたかのように彼の元に突っ込んでいく3人。 ○「おー、こりゃ魔理沙が一番早いか…っておい待てちょっとそれ軌道がおかしくnプギャ!」 魔「…あのなぁ、なんだよこの決め方。私は何となくむかついたぜ」 ○「ムギュ・・・」 魔理沙のヒップアタックをもろに受け仰向けに倒れた○○の顔の上を一人占領し毒づく魔理沙。 魔「…あとお前らももうちょっと怒れよこいつに」 顔を上げると膝の上でおしくらまんじゅうしてるアリパチェ。 霊「あー、襖壊したわね!○○さん後で体で弁償ね」 ○「ムグ…モゴコラどけ魔理沙…あぁ霊夢、実はお前が好きだ付き合ってくれないk」 魔「但し魔砲は尻から出るスパーク!!!」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 527-529 527 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/10/12(水) 17 40 29 [ ulkobMvM ] 霊夢に殴られたい 528 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/10/12(水) 18 27 59 [ Njbym132 ] /\/ i 「` ´ ヽ i ノ_,ル,_ 〉 ! l !‘д‘ノリ パーン ⊂彡☆))Д´)← 527 529 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/10/13(木) 01 46 51 [ 4avbXSBY ] 527 いいなぁ… ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 640 目を覚ますと、倉庫のような場所に居た。 古びれた旧時代の倉庫のようだ。そこは薄暗く、辺りには この倉庫の持ち主の、私物らしきものが置かれている。 風鈴や、団扇、過ぎし夏を思い出させるものばかりだ。 「…ここ、何処だ?」 まず最初に思った事はそれだった。 別に、この倉庫は俺が知っている場所のはずはない。 あの場所から俺は逃げていた。 逃げて逃げ続けて、どこかを通った覚えがある。 まぁ、そんな瑣末な事はどうでもいいだろう…。 とにかく、俺は逃げたのだ。 「出るか…」 いつまでもこんな倉庫に居てもしょうがない。 閉めきった倉庫は埃だらけで、息をするのも億劫だった。 「…っ」 思い切って戸を開けた。 開けた途端、さんさんと出ている日光を身体に浴びる。 天気は晴れ、山や森、川が見える。 「さて、どう言う事なんだろうな」 今あることは疑問しかないが、何となく、すぐに解決できるような予感がした。 周囲を見渡しても、何かあるわけではない。 いや…何も無いからこそ、おかしかった。 俺が今まで居た場所はビルがあり、車があり、無意味に多い人々が辺りを歩き回っている。 そんな場所だったはずだ。 ところが、ここはどうだろう? まるでどこかの片田舎のように、山に囲まれて、川があり、見たことのない自然が 繁栄している。 「…何だ、あれは?」 もう、驚きたくもなかった。 遠くを、見たことのない生物が飛んでいた。 生物というよりは、妖怪といった感じだが。 再び周囲を見回してみると、赤い鳥居に目が行った。 …どうやらここは、一応神社らしい。 「はぁ…」 神社の境内に回ってみると、縁側でお茶を飲む巫女が居た。 その巫女装束は、普通の神社とはまた違うものだった。 「すいません」 「はい?」 思い切って訪ねることにした。 ここが何処なのか、何故俺はここに居るのか。 他にも色々。 まぁ一人の巫女にわかるようなら苦労はないんだけど…。 「ここは、どこですか?」 「あぁ、あなた迷い人ね? ここは幻想郷の博麗神社」 いきなり訳の分からない単語を言われた。幻想郷?博麗神社? 「あんたは…?」 「私は博麗神社の巫女、博麗霊夢」 霊夢、その言葉に奇妙な感じを覚える。 「まぁ、迷い人なら、ここから外に出せばいいのよね。結界の修復は面倒だけど 仕方ないか」 呆れ気味に言う巫女――霊夢は俺の手を取ろうとしたが、俺は無意識の内に 手を引っ込めていた。 「…どうしたの?」 「あ、いや…」 そうだ。 俺は逃げていたんだ。 だから、誰の目の当たらなそうな場所に居るしかない。 ここは、そういう意味でも絶好の逃げ場所だろう。 「…とまぁ、そういう訳なんだけど、分かった?」 俺は一通りこの幻想郷についての説明を受けていた。 ここは隔離した世界とでも言うらしい。 妖怪が居る世界という説明で何となく納得できた。 「一つ質問があるんだけど」 「なに?」 「俺がここから出て行ったら、もうここには来れないのか?」 「結界の修復をするしねぇ、無理とは言わないけど、難しくなると思うわ」 …嫌だな。 せっかく、見つけたんだ。あんな世界には戻りたくない。 虚構に彩られた世界。 何が正しくて、何が正しくないのか、そんな曖昧な世界には…戻りたくない。 それに…彼女――霊夢の事も妙に気になっていた。 何故気になるのかも分からない。しかし、気になるのだ。 「あー、倉庫でよければ貸すけど?」 「あぁ、借りるよ」 ここに知り合いなんて居るはずもない。 塒があるだけでもありがたい。 今の俺には、ここを調べるという事だけが、一番重要なことだった。 人間の手が入っていない、素晴らしくも物足りない世界。 方向感覚にだけは自信があるので、夜まで俺は歩き続ける事にした。 霊夢は変な奴だ。 …変な奴とまで言うと語弊があるが、ともかく俺のであった人間の中では 比較的変わった奴の部類に入る。 だが、どことなく懐かしい気がするのも事実だ。 もしかしたら、何処かで会ったのかもしれない。 「それはないな…」 霊夢はこの幻想郷に居るのだ。 彼女が向こうに行ったなんてことはありえない。 「あら、それはどうかしら?」 夕闇に染まり始めた時、その声は響いた。 目の前に現れたのは、一人の女性。 傘を手に持つ姿は、一見して見惚れるくらい美しかった。 だがその女性が放っている奇妙な空気、とでも呼ぶべきか それだけは人間にあるまじき気配だった。 「もしかしたら会った事があるのかもしれないし、ないのかもしれない」 「いつの間に…それよりも…どういうことだ!?」 「まぁそんな事はどうでもいいわ。あなたは気付いていない」 俺が…一体何に気付いていないと言うんだ? 女性は軽く頭を振ると、俺に向かって微笑する。 「輪廻する想いは別れ、巡り、そして再び出会うの…霊夢とあなたもそんな 切れることのない縁で結ばれている」 「あんたは…一体何なんだ?」 問いに対して、女性は何も答えない。 漆黒に彩られた夜が降りて、森に住まう妖怪達がざわめき立つ。 「…いない?」 ほんの少し目を逸らした隙に、女性は居なくなっていた。 彼女は…一体何者なんだろう? 「あぁ、それ紫よ」 「…紫?」 霊夢の話によると、強力な妖怪らしい。 普段からあんな風に掴み所がなく、言う事が大体、胡散臭いらしい。 「真に受けちゃダメよ」 「…あぁ」 もっとも、あまり意味が分からなかったけど… その日、倉庫で見た夢は暗い夢だった。 一人の男が居る、女性が居る。 感覚的に何故かはっきりと分かる。 あの男は…恐らく『俺』で女性の方はきっと『霊夢』なんだと。 『もうすぐ、お別れね』 『そうなるな。…お前は一緒に来ないのか?』 『私には…幻想郷に居るっていう義務があるから』 そんな義務…捨ててしまえ。 男は人間の住まう世界に帰らなければならなかった。 最愛の博麗の巫女を置いて。 『だが、再び会える日がくる』 『それは何時かしらね?』 『例え、俺が死んだとしても、お前とは…必ず会える…再び…会える事を ――俺は願う』 ブツン まるで、出来の悪い映像が切れたような音が鳴った。 起きてみると、寝汗しかかいていない。 今のは、きっと前世の記憶とかいう感じの夢だろう。 まだ日も出ているわけではない。 頭が痛い。 魂から沸き起こるような奇妙な想い。 前世の俺が叶えることができなかった博麗の巫女への想い。 「…しょうがないな。伝えてやるよ」 まだ寝かけている頭を無理に覚醒させながら、俺は起き上がり 現在の博麗の巫女の元へ向かった。 「…起きているか?博麗の巫女」 境内の方にに向かってみると月下に佇む一人の巫女が居た。 その雰囲気は日の出ていた時の霊夢とは、また違った雰囲気をもっていた。 『待っていたわ』 はっきりと夜に響く声で彼女は言った。 「…伝えなければならないことがある」 俺の言葉じゃない。 『あの男』の言葉だ。何が起きても、もう不思議とは思えない。 今はただ、『この男』に『俺』という器を貸してやるということだけだ。 『私も伝えなければならないことがある』 「それは互いに奇遇だな」 本当はわかっているのだろう。 不敵な笑みが自然とこぼれる。 『会って言わなければならなかった』 「…俺もだ。だが、生きて会うことは出来なかった」 だから、輪廻なんていうものに頼ってしまった。 会える保障なんてないはずなのに、それに頼る。 それだけの想いが…あったのだろう。 博麗の巫女はくすくすと笑いながら、呟く。 『会えて、良かった』 「また…共に――」 自然と抱き合うような形になっていた。 彼女の想いと、温もりが俺の方にも感覚的に伝わってくる。 すぅっ、と体が一瞬だけ、軽くなった。 「…で、離れないの?」 「気付いてたなら、言えば良いだろ」 『男』と『博麗の巫女』の想いが離れて行っても、俺達は 抱き合ったままだった。 もしかしたら、こういうのが自然だったのかもしれない。 「…薄々とは気付いてたの。色々とね」 「俺は、夢に見て気付いた」 「輪廻してからの、この想いも…未だあなたに向けられているのね」 「それは、俺が想われているって事か?」 霊夢は顔を赤くしながら、黙ってそっぽを向く。 月光に照らされた顔は、夢に見たものとも、先ほどの彼女の顔とも 違っていた。 「…仲良いじゃない」 「「うわっ!?」」 急にかけられた声に俺達は一瞬で離れた。 妖怪さん――八雲紫が何処からともなく現れたのだ。 「あんた、一体どこから来るのよ!」 「そこの異次元から」 霊夢の言葉にあっけらかんと答える紫さん。 「まぁ、一部始終は見させてもらったわ」 「…紫、もしかしてあんた知ってたの?」 「知らなかったら、そこの子に教えないわよ」 そう言って俺を指差す。 どうやら、最初からお見通しだったというわけらしい。 俺が輪廻した者だという事。博麗の巫女の想いを受け取るべき 存在を、身に宿す者という事を。 「ま、とりあえず、一件落着でしょう。貴方達、この際だから許嫁にでもなったら?」 「許嫁!?」 「って、何でそこまで話が飛躍するの!?」 「言ったでしょう。想いは別れ、巡り…そして再び出会う。 別れる事となって後悔したくないなら、早い内にくっついた方がいいのよ」 確かに正論ではある。 だが、それはお互い想い合っていればの話だ。 今日出会ったばかりの俺と霊夢に言うのは無理がある。 「…別に、いいんだけど」 「は?」 俺は耳を疑った。霊夢がそんなことを? 「博麗の巫女の想いは…未だ残っているの。あなたを想う気持ちが…」 それはつまり… 「あら、貴方は感じないのかしら?あの男が残した『想い』を」 …目を閉じると、暗闇の向こうに、一人の少女が立っていた。 俺は、彼女――霊夢が愛しいと想う。 出会った時や時間なんて関係ないものだ。 前世の『俺』が言う。 「あぁ…俺って、霊夢が好きなのか」 過去の二人が巡った時間、それを俺達は引き継いだ。 互いをこんなにも想っている。 「…一応、前世の想いなんてのがあるけどさ… 俺はお前が好きだ」 月光に照らされる少女の髪が、ふわりと揺れた。 後書きという遺書。 訳ワカメでした。 ノリに任せて書いていたら、いつの間にか妖精さんが書いてくれました。 冗談ですが。 えっと、前世ネタなんで、感覚で愛を感じろ…でしょうか? ギャグは一切無しで頑張ったんですけどね… とりあえず、リクエストしてくれた方には本気で申し訳ないくらいです。 この場で、588の方に全力で謝罪しておきます。 ごめんなさい。俺はあんたの期待を裏切った。 …いや、期待されていないかもしれませんが。 ひとまず、期待してくれた方には感謝を、そして俺は地獄行く。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 856 降り始めた雪は、朝になる頃には一面の雪景色を予感させた 「ご馳走様。…随分暖かくなった」 「こういう日はこれが一番よ」 霊夢が作ってくれた夕食は、野菜を煮た汁に酒粕を溶いたものだった 「ふー。腹一杯だ…」 「寒いからって食べ過ぎじゃないの」 「腹ごなしでもすっか。外行こうぜ」 「…はぁ?」 雪で白みつつある神社の階段を静かに降りる 身を切るような寒さだが、冬の冷たい空気は何とも心地よい 「なぁ霊夢、冬の夜って特別な気がしないか?」 「寒いから嫌よ」 . . .... .. Λ_Λ . . . . / 彡ミ゛ヽ;)ー、 . . . / / ヽ、ヽ、 i . . . . / /;; 弾 ヽ ヽ l . . . .  ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ 終わっちゃうだろそれじゃ… き、気を取り直して続きだ 冬の夜が好きだと、霊夢に話してみるが上手く表現出来ないものだ 霊夢はマフラーで口を覆い、更に両手で抑える 俺との身長差から、上目遣いになる。なんとも言えず可愛い 「あなた、私には見えない何かが見えてるのかしら」 「そうか?」 「でもわかるわ。特別に感じる季節があるのは自然の事よね」 少しの間、沈黙が続く 「実は、この散歩は口実に過ぎなかったんだ」 「え…?」霊夢は訝しげにこちらを見る 今日という日を選んだのも、冬が特別なものなのだから 霊夢の肩を引き寄せ、背中に腕を回し、その小さな身体を抱いた 「あ……」驚いたようだが、抵抗は無い 「好きだよ、霊夢…」 返答は無かったが、霊夢も腕を背中に回してくる。 それだけで十分すぎる返事だ 例え言葉が無くても、受け入れられたという満足感で旨が一杯になる 寒さで乾いた唇を湿らせ、優しくゆっくりと唇を重ねる 彼女の小さな唇も乾いてはいなかった びょう、と風が吹くと互いを抱く力は強くなった。寒いはずなのにかえって暖かい 冷たい空気も、降りしきる雪も、今では心地よい祝福の言葉 備考:絵板2342の霊夢かわいいよ! ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 896 「お待たせ。もう準備は済んだのかしら?」 ぽっかりと空間に穴が空き、スキマ妖怪こと─八雲紫がにゅっと顔を出す。全く心臓に悪いものだ 俺が幻想郷を去るにあたり、外界との境を隔てている結界の破壊や修復が可能な彼女の力は必要不可欠だ 「ああ、全部済んでいる」 「最後にもう一度だけ…後悔しないわね?」紫はじっと俺の方を見る 「ああ」一瞬だけ、俺の心に何かが引っかかるような感じがした 「…そう。わかったわ」 最後の決断。もう後戻りはできない その時、霊夢が何かを抱えながら廊下を歩いてきた 「…これ、後で食べて」 霊夢が差し出したのはどう見ても弁当らしき代物。 「…人里までどれぐらいあるのかわからないし、途中で疲れても知らないわよ」 「霊夢…」霊夢の心づかいに、ドキっと心臓が鳴る ──この世界に流れ着き、いきなり妖怪に襲撃を受けた時も ──大怪我をした俺に、神社の部屋を貸してくれたのも ──怪我が治るまで何もすることが出来ない俺の面倒を見てくれたのも 楽園の素敵な巫女こと博麗霊夢。彼女はいつだって、俺のそばにいた… そして俺は、何一つ報いることが出来無かった 「本当に俺…何て言ったらいいか」 「…何回言わせるのかしら。私のことなんて気にしなくていいの」少々素っ気無い返事 「本当に…ありがとう。霊夢」霊夢に向かって深く頭を下げる。この程度の礼もできないようでは恥としかいいようがない 「…ううん、どういたしまして」霊夢は小さく頷いた 「元気でね」 「君こそ」 別れの挨拶としては、余りにも簡単なものだった (…霊夢) (何よ) (いつものあなたはどこに行っちゃったのかしら?) (…) (あなたはいつだって、思い立てばすぐに行動してたのに) (…これは私の都合だけじゃないでしょ) (夢と伝統を保守する巫女。あなたはいつだって正しいのだから) (…) (…ありがと、紫) 神社の鳥居をくぐると、奇妙な感覚が俺を包んだ。これが結界を抜けるといことなのだろうか 後は振り返らずに、俺はどんどん歩みを進める。 辺鄙な山奥とはいえ、ここは元の世界なのだ。もう振り向いたって仕方が無い 「…待って」少しだけ聞こえた、聞こえるはずの無い声 俺は驚き、思わず後ろを振り返る 「…霊夢! どうして」 霊夢は何も言わずに、俺に抱きついてくる 突然のことで思わずもんどりうって盛大に尻餅をつく 霊夢は俺に覆い被さるようにしたまま、顔を近づけると唇を重ねてきた その時見てしまった。霊夢の頬が涙で濡れているのを─ 「私…あなたと一緒に…いたい…」泣き声になりながらも、はっきりと告げてくる 「引き止めちゃ…いけないのに…でも…好きなの…離れたく…ないの」 俺は立ち上がると、霊夢の細い身体をしっかりと抱く。今度は俺から優しくキスをする 「戻ろうか」 霊夢はこくりと頷いた 夢と伝統を保守する巫女は、伝統を捨てて夢を追った 夢を捨てかけた俺は、現実を捨てて夢を取り戻した これからは、どんな夢が待っているのだろうか 人は、夢を見ることができる。夢を手に入れることもできる 最早恋と言う夢では無く、愛という現実のものなのだ ─────────────────────────────────────────────────────────── 2スレ目 8 「霊夢、君の心を俺という金で売ってくれないか?」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 2スレ目 17 俺「あー……熱いお茶がしみるなあ」 霊「んー……熱いお茶がしみるわね」 ずず……。 俺「なあ」 霊「なに」 ずずず。 俺「結婚してくれ」 霊「ああいいわよ」 ずずずず……。 俺「そっか。んじゃそういうことで」 霊「ん。 ……お煎餅、食べる?」 俺「貰う」 霊「ほら。口開けなさい」 俺「あーん?」 ぱりっ。 霊「湿気てない?」 俺「お前のお肌くらいには張りがあるよ」 霊「そ。私も食べよ」 俺「食え食え」 ぱりぱり。 霊「……んー。これからもよろしくね」 俺「……んー? ああ。よろしくな」 霊夢はこれくらいまったりと適当にするのが似合うと思った、晩秋の日。 あ、石投げないで! ─────────────────────────────────────────────────────────── 2スレ目 65 珍しく紫さんが神社に遊びにきた。 紫さんはおそらく幻想郷一なんじゃないかと思うほど美しい。 その美しさについ見とれてしまう。ドカッ そのたびに霊夢にぶん殴られるが、それでも(ドスッ 結局その日は10回くらい殴られてしまった。 …全く、橙と遊んでやってるときも殴ってくるから教育に悪いんじゃないかと思ってしまうが。 (「おねぇちゃん、○○痛そうだよ?」「橙、気にしなくてもいいのようふふ」「ヒィィ」) 紫さんが帰った後、二人で石段に腰掛ける。これもいつものことだ。 「ねぇ」 「ん?」 「私のこと、本当に好きなの?」 「ああ」 「貴方の紫に対する視線からすると、どうもそのようには見えないけど」 「いや、あれは違うんだ・・・。美しいものにはつい目が逝ってしまうんだ。だから、sの、あれd 「結局、紫の方がいいんでしょ?」 「いや、俺は霊夢、お前が好きだぜ」 「信用しにくいんだけど」 「いいか、紫さんなんてな、ただ美人なだけなんだ。 内面は腹黒いし、式をこき使う冷酷な奴だし、 年増だし、無駄に睡眠取ってるし、足は臭いし・・・(やべ言い過ぎt(ry 「そうなの?」 「そうさ。お前の方が良いに決まってる」 「本当に本当なの?」 「ああ」 「良かった~。」 そういうと霊夢は俺に抱きついてきた。 よし、今だ、この際にキスを・・・。 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・ |┃三 , -.―――--.、 |┃三 ,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ |┃ .i;}' "ミ;;;; } |┃ |} ,,..、_、 , _,,,..|;;; | |┃ ≡ |} ,_tュ,〈 ヒ''tュ_ i;;;;| |┃ | ー' | ` - ト'{ |┃ .「| イ_i _ 、 }〉} _________ |┃三 `{| _;;iill|||;|||llii;;, 、 .!-' /話は聞かせてもらったぞ! |┃ | ='" | <貴様ら二人ともスキマ送りだ! |┃ i゙ 、_ ゙,,, ,, ' { \ |┃ 丿\  ̄ ̄ _,,-"ヽ \ |┃ ≡'" ̄ヽ \、_;;,..-" _ ,i`ー-  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |┃ ヽ、oヽ/ \ /o/ | ちょちょちょ、ま、待て、やめ、助けt、うぎゃぁぁぁぁぁぁっぁ --- 博麗霊夢と○○、八雲紫に宣戦布告 ――スキマ妖怪、二人に過酷な報復措置―― (3面に関連記事) ○日、博麗霊夢と○○はスキマ妖怪の八雲紫に対し、宣戦布告を行った。 八雲紫は式を伴って博麗神社を訪れ、博麗霊夢、○○と遊んでいたが、 夕方、帰った後に事件は発生した模様。 八雲紫は変える振りをして二人の様子を探っていたが、 ○○と巫女はそれに気づかず雑談を始め、 逆鱗に触れるようなことを逝ってしまったらしい。 その内容は具体的には「足が臭い」とか「足が臭い」とか「足が臭い」といった 八雲紫に対する悪口が主である。 このスキマ妖怪の足が臭いのは周知の事実であるが、 事実であるがゆえに逆鱗に触れた模様だ。 マヨヒガ在住のRさんは「足が臭くて臭くて・・・。とても寝れたもんではない。 私だけなら我慢するが、橙の教育に悪いのではないかと思っている」と語る。 重ねて言うが、このスキマ妖怪の足が臭いのは周知の事実である。 が、タブーであるようだ。 実際のところ、これを書いている筆者の背後にも殺意が感じらr・・・ 「文。」ビクッ 「あなたもスキマ送りにした方がよさそうね。事実なら書いてもいいって訳ではないのよ」 ひぇぇぇぇぇ --- ゆかりん☆しんぶん 危険分子を派手に始末 ――ゆかりん、スキマ送りの刑で秩序の回復を検討―― 次の日、配られたのはそんな見出しの新聞だった。 ----------------------------------- あとがき ----------------------------------- いつもはプロポスレを読むだけで楽しんでいたのですが、 妄想は止められず、今回初めてSSを書いてみました。 始めは、 霊夢との愛を確認→その際に紫を悪く言ってしまい、スキマ送り という感じで書くつもりでいたのですが、 次第に尾ひれがつき、結局訳の分からん話になってしまいました。 書きたいものを書きたいように書くというのは難しいと改めて実感。 人に見せられるレベルのSSを書けるようになるまでは精進あるのみですね。 つまらない物でしたが、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 2スレ目 502 霊夢の上手な口説き方 まず、札束を二組用意する。 金額は多いほど、成功率が高いぞ。 次に、いつものように掃除を怠けている霊夢が挨拶してくる前に、その札束を見せる。 呆然としている霊夢の前を悠々と歩き、素敵なお賽銭箱の前へ。 「こっちの札束は、賽銭だ」 そういいながら、片方の札束をお賽銭箱へ投下。 札束は吸い込まれるようにお賽銭箱の中へ。 そして、そのまま霊夢の元へ行き、彼女の目を見つめる。 「そして、こっちは俺と霊夢の結婚資金だ」 こうして、感極まった霊夢が抱きついてきたらプロポーズ成功。 夢想封印が飛んできたら失p(夢想封印 ─────────────────────────────────────────────────────────── 2スレ目 811 今日もここ博麗神社では何時ものように宴会が繰り広げられていた。 夕日が己が赤で境内を染めていたころ開かれていたこの会も、今では満月が幻想郷全体を照らすがごとく、天蓋の頂点に位置している。 「―…綺麗ね」 「ん?」 騒ぐ皆を尻目にポツリと零すように、僕の傍らで座っている霊夢は呟いた。 彼女が指しているのが月の光眩い夜空か、 それとも、囲炉裏の火が本日の宴会の客人たちをまるで影絵のように照らしている様なのかは僕には解らない。 「今日、みんなに私達のことを全部話すのね…」 僕と霊夢が宴会に直接参加していないで、片隅で寄せ合って座っているのは、 今日の宴会の真の目的たる、ここに居る全員に二人の関係を告白する為の心の準備でもあったから。 すると、霊夢は僕に身を預けてきたので、手をぎゅっと握り締めてあげたら、 彼女は全信頼を預けるかのように身を完全にもたらせてくれた。 「…もう少し……このまま…ね?」 言った彼女の表情までは見て取れなかったが、その声には若干の怯えが在ったのかも知れない。 博麗の巫女を奪うことが幻想郷のバランスをいかほど崩すかは僕の知り得た事ではないけれど、 胸の中の愛しい人を守るためなら、僕はこの命までも投げ出そうと心に誓った。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 111 散歩から戻ってきた俺を待っていたのは、目に涙を浮かべた霊夢だった。 彼女の手には、ぼろいルーズリーフのノート。 「霊……夢?」 縁側に座って俯いていた彼女は、俺の方を向いた。 「ごめん……この日記、読んだ」 突然この幻想郷に迷い込み、妖怪に襲われて死にかけていた、 そんな俺を助けてくれたのが霊夢だった。 それだけでなく、元の世界に戻れるまでこの博麗神社に泊めてくれている。 霊夢には、どれだけ感謝してもお礼をしても足りない。 元々武術も習っていないし運動音痴な俺に、 この幻想郷で出来る事は少なかった。 掃除や洗濯等の家事を手伝っているが、 それでも一日の大半は時間を持て余していた。 そんな日常の中で、数少ない楽しみが日記だった。 (見た限り)平和な日々の中の、些細な変化を書き留めるのが楽しかった。 白黒の魔砲使いとの会話。 時々天狗の娘が運んでくる新聞。 幻想郷で迎えた新年。 毎日の出来事を、事細かに書き記していた。 そんな日記が、毎日内容が同じようなものになっている。 霊夢。 俺の命の恩人。 いつからか、俺は彼女に恋心を覚えていた。 日々募る彼女への想い。 今では、寝ても醒めても彼女の事が頭から離れなかった。 そして、日記もここ1、2週間は彼女一色だった。 「えっと……もしかして全部?」 こくりと頷く霊夢。 昨日の夕方に書いた日記。 告白の台詞の候補を書き連ね、 あれがいいこれがいいと考えを巡らせ、 いつ告白したらいいかと考え、 そんな事をしているうちに日が暮れて。 そんな内容の日記。 そこまでも全部、霊夢に読まれてしまった。 独り言だからこそ成り立っていた日記。 それを全部、盗み聞きされてしまい。 ――王様の耳はロバの耳―― 「……私の事、あんな風に思ってくれてたんだ」 霊夢が若干上ずった声で言う。 ――ロバの耳の王様は、 最後には笑われる覚悟で耳を民に晒した―― 「今更遠回しな台詞なんてもういいな。 霊夢…………君が好きだ」 ――しかし、民は王様を笑う事無く―― 「元の世界に……戻りたくないの?」 「それは、多少は戻りたいとは思う。 突然いなくなって、親も心配してるだろうし。 でも、今は君が何より大事だ」 ――逆に、勇気を出して欠点を打ち明けた王様を称えた―― 「……あなたって、本当に親不孝者ね。 でも、あなたに好きって言われて……嬉しかった」 霊夢の目から涙が零れ落ちる。 「春になったら、元の世界に戻りなさい。 親を悲しませたら、駄目。 ……でも、必ず戻ってきて」 「わかった、ありがとう……霊夢」 俺は、霊夢を強く抱きしめた―― 霊夢に告白してから数週間。 春妖精が遠くの空を飛び回っている。 今日、俺は元の世界に戻る。 目の前には、スキマ妖怪の紫と、顔を伏せた霊夢がいる。 「それじゃ、元の世界への道を開くわ」 そう言って紫は目の前の空間に裂け目を作った。 「……………………」 霊夢は俯いて黙ったままだ。 「それじゃ……また」 俺は霊夢の前に立って、静かに言う。 すると、霊夢は顔を上げて俺の方を向き、 ちゅっ 「……………………」 「早く…………戻ってきてよ」 「……わかった」 そして、俺は空間の裂け目へと入っていった…… 「ふふっ、お熱いこと」 その様子を、横から紫が微笑みながら見ていた。 彼が自分の世界へ戻ってから、丁度5年。 今日は、いつもの春と何か違う。 おそらく、きっと―――― 「ただいま」 声の方を向くと、そこには私の望んだ人がいた。 「遅いわよ」 終わり ――後書き―― えー、初SSです。 思いついたままに書いたら、こんな感じになりました。 話の展開が出鱈目だし。 持ち出した設定、全部使えてないし。 えーと、お目汚し失礼しました。 ───────────────────────────────────────────────────────────
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霊夢3 384 「・・・・・・ぅん?」 「おはよう、○○」 「ああ…おはよう、霊夢」 「○○ってホントに朝は弱いのね。正月だからって寝過ぎはよくないわよ」 「いやぁすまん。早起きってのはどうも苦手で…」 「そういえば霖之助さんの所で読んだ本に、朝早起きが出来ない人っていうのは血行が悪い、 って書いてあったわよ」 「へぇ、そーなのか。・・・・・・だからって霊夢…」 「電気アンマはやめてくれよ・・・・・・」 朝の血行(一部)良好 博麗神社の元旦はとても静かだ。普通の神社で見かける人ごみや四方八方から投げられるお賽銭やそれを狙う賽銭泥棒 なんてのは霊夢にしてみたら幻でしかない。もしかしたら霊夢の幻想が現実世界で具現化しているのではないかと思って しまうほどである。そんな中、俺と霊夢は… 「やっぱり正月の朝はお雑煮よねぇ」 「こたつに入りながら喰う雑煮は黄金の組み合わせだよな。これで鶏肉がはいってりゃ文句無しなんだが…」 「文句があるなら食べなくていいのよ(怒」 普通に朝食をとっていた。 「幻想郷で過ごす初めての正月がこんなにもダラけたもんだとはなぁ。(ゲップ)」 「あら、これが普通よ。それとも私と過ごす正月はそんなに退屈?」 「滅相も無い」 俺がこの幻想郷に迷い込んで初めて会ったのがこのぐうたら巫女、霊夢だった。 深い森の中で危うく妖怪の餌になる寸前に助けられたのだ。 その後帰る当ての無い俺に霊夢は人間の里なら自分を保護してくれるだろうと教えてくれたが 助けてくれた恩ぐらいは返したいと言う俺に霊夢は 「じゃあウチの家の手伝いでもしてもらおうかしら」と行った。 そんなんお安い御用だっつ~の、とそのときの俺はやる気マンマン男、略してマン男だった。 が、しかし。 初の宴会手伝い、妖怪だらけの面子に終始ビビリまくる。興味本位で剥かれそうになるので全力で逃亡。 洗濯物を取り込んでいるところをパパラッチ天狗に隠し撮りされ、新聞に『下着ドロ、白昼堂々の犯行!!』と書かれる。 霊夢やその他の幻想郷住民から半殺しに会う。全治一ヶ月 二回目の宴会手伝い、流石に周りの面子にも慣れてきたので親睦を深めようと試みる。ちっこい鬼の女の子に力試しと して腕相撲を申し込まれる。全力を出すも見事に完敗、そして脱臼。全治五日 ここで生き抜くには力が必要だと思い白黒魔砲使い魔理沙から弾幕ごっこを学ぼうとする。勉強するより体で感じた方が 飲み込みも早いだろうと言われ初っ端からまさかの実戦投入。アステロイドベルト(Luna)を時間一杯避け続けろと言われ るが開始十秒で被弾。魔理沙の持っていたポ○の油で事なきを得る。 三回目の宴会手伝い、おもちゃ扱いされることも無くなりほぼ全員と交流をもてるようになる。突然幻想郷のえらい方で ある紫さんにお酒を勧められる。断るわけにはいかないので一杯頂く。しかし、飲んだ酒は『ニコラシカ』だったので 失神しそうになる。なんとか踏ん張ってみたものの健闘虚しく倒れてしまい、しかも運悪く霊夢の上に倒れこんでしま った。その後どうなったか覚えていないが、気づいた時には永遠亭の診療室の中だった。全治三ヶ月 「いやぁ、よく今まで生き延びれたよな、ホントに」 今までの事を振り返ってみたら不意に涙がこぼれた。 「全くだわ。どんだけあたしに迷惑かけてきたと思ってるのよ」 「そう言われてもなぁ…。でも家の事や宴会の手伝いなんかは一生懸命やったつもりだよ」 「それはあるはね。おかげで私の心にも少しはゆとりってものができたもんだわ」 「それ以上ゆとりを持ってどーすんだ…」 霊夢の言葉を聞いてふと考えた。 俺はまだ霊夢に全ての恩を返せてないのかもしれない。と、言うより助けてもらった後の方が迷惑かけた量が半端じゃな いだろう。そう思ったら何かせずにはいられない。 「なぁ、霊夢」 「んっ…何?」 「俺に何かしてもらいたいことって、ないか?」 「…えっ?」 霊夢は少し驚いた顔をした。 「俺は霊夢に助けられてその恩を返すためにここでお世話になってる訳だろ?でも実際は恩返しするどころか迷惑かけてる ことのが多い。だから少しでも多く霊夢のためになることがしたいんだ」 「・・・・・・」 俺が自分の気持ちを伝えると霊夢はうつむいてしまった。 「あれ、霊夢?どうした?」 呼びかけに答えない。 (あっれ~、何かまずいこと言っちまったか?それともまるで役に立たないダメ男、略してマダ男がなにでかい口きいてん だよ!なんて怒ってんのか?やべぇよ新年早々永遠亭でご厄介なんて洒落になんねぇぞオイィィィ…) 頭の中で様々なBADエンディングを思い浮かべていると霊夢が不意に口を開けた。 「・・・・・・何でも・・・・してくれるの?」 いつもの霊夢の口調ではない。 「えっ…?あ ああ、何でもしてやるよ」 心なしか少し顔が紅くなっている。 「えっとね・・・・・実はさっきから・・・・・お願いしたいことが・・・・・あってね・・・」 今の霊夢からは普段では想像できないほどの恥ずかしがってるオーラが出ている。そんな霊夢を目の前にした○○は (ちょっ…なんだこの空気?霊夢もありえないぐらいモジモジしてるし…。も、もしかして霊夢…俺と××したいとか言う じゃ…。いや、××だけでなくもっとディープな△△や目も当てられない様な☆☆なんかも…挙句の果てには二人揃って X・Y・↓・↑なんて決めてみたり!?ウッヒョホーイ!こんな異郷で正月の昼間からハッスルできるなんて!夢なら覚めんといてー!!) 一瞬にして頭の中が春一色になってしまった。妄想が音速の速さでひろがっていく○○に霊夢は言葉を続けた。 「・・・・じゃあ・・・・おねがいしても・・・・いい?」 「お、おおおおオッケイぃい!何でもよござんすよ!」 満面の笑みで霊夢の願いが告げられた。 「境内のお掃除、よろしくね」 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「あ~~~~~、さぶい~~~~~」 霊夢からの死の宣告をしっかりと受け止め、○○は雪の積もった境内を黙々と掃除していた。 「はぁ…期待を大きくしちまった分現実を受け止めるのが重くなっちゃったなぁ。ってか霊夢もなんであんな思わせぶりな 表情するんだよ…」 多少の愚痴を吐きつつも自分で言い出したことなので○○は手を止めるはけにはいかなかった。かじかんだ手さすりながら掃除していると遠くの方から何か飛んできた。 「おぉ~、年明けからしっかりと雑用してるなんて偉いもんだな」 「そりゃどうも。初詣だったらそこの賽銭箱に…」 「私がそんな金持ってる様に見えるか?」 「…見えないな」 今年一番の参拝客(?)、霧雨魔理沙は新年の挨拶に来たのだが、当の霊夢はこたつの中で熟睡していたので 掃除中の俺の話し相手になってくれた。(もちろん掃除は手伝わない) 「それにしても…」 「ん?何だ?」 「良くもまぁこんな家事手伝いを続けてるよなぁ。嫌になったりしないのか?」 魔理沙が呆れ口調で尋ねてきた。 「んな訳ないだろ。俺は好きで今の事を続けてるんだからな」 「なるほどな、真性のマゾヒストってヤツか」 「断じて違う!」 「ジョークだぜ、ジョークw」 こんな会話を続けながら掃除も半分は終わってきた。だいぶ疲れもでてきたので少し休むことにした。その休憩中に ○○は魔理沙にある事を尋ねた。 「なぁ魔理沙、一つ訊いてもいいか?」 「私のプライベートなことについては一つも教えられないぜ」 「そんなこと訊かねえよ…。・・・・霊夢って、俺のことをどう思ってんのかな?」 「ハァ?」 「あ、いや、そーゆう意味じゃなくって…。俺って霊夢の役に立ってるのかなって思って…」 「お~お~、そっちか。・・・・ヌフフ・・・・なるほどねぇ」 「な、なんだよ?なるほどって…」 「いやぁなに、こっちの話だ。まぁ率直に言うとお前が霊夢の役に立ってるかどうかなんて知らんよ」 「…そっか」 魔理沙の口からは気の利いた言葉など微塵も出ず、○○は落ち込むしかなかった。 「オイオイ、何を柄にも無く落ち込んでるんだ?」 「いやぁ、俺だってナイーブな一面もあるんだよ…」 「何言ってんだか。・・・・ん、そーいえば…」 「何だ!?霊夢が何か言ってたのか?」 つい声を荒げてしまい魔理沙も少し驚いてしまった。 「おおぅっと、まぁ落ち着けって。別に何か言っていたわけではないさ。ただ…」 「ただ?」 「少しだけ、変わった気がするな」 変わった?あの霊夢が? 「俺からしてみれば幻想郷の住人はみんな変わってると思うんだが」 「私は普通だぜ、ってそういう意味じゃない。○○が来てから霊夢の性格は変わったと思うんだ」 「へぇ。どんな風に?」 「今まで霊夢は周りの奴に対してもの凄く無関心だったんだ。それが最近じゃお前に対しては何かと口を挟むようになった」 「それは俺がへまなことばっかしてるからだろ」 「単にそれだけじゃない気もするがな」 「どういうことだよ、それ?」 「要するにだな、お前の存在が霊夢にとってマイナスなわけじゃない、ってことだな」 「・・・・・そっか・・・」 どこをどう要したのかわからないが、それを聞いて○○は少し安心した。 「さてと、私はそろそろ帰るぜ」 「ん、霊夢に会わなくていいのか?」 「私が挨拶に来たことを言っといてくれればいいさ」 「おう、わかった。伝えておくよ」 そのまま魔理沙は俺に背を向け、片手をヒラヒラ振って少し日の落ち始めた空を音も無く飛んでいった。 「さてと、残りを片付けっかな」 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 日が全て落ちる前にやっと境内全体の掃除が終わった。 「くっはぁ~、やっと終わったぁ…」 この境内では雪かきから始まり濡れた落ち葉をかき集めるという作業がとても重労働に思えた。 「こんな地味に疲れることを霊夢はずっと続けてきたのか…。ほんと、霊夢には頭が上がんないよなぁ」 あまりにも周りが静かなのでついつい独り言を始めてしまった。 「しかもこの境内をずっと一人でだもんな。こんなのしょっちゅうやってたら発狂するよな、俺だったら」 自分で言ったことに笑っている内に一つだけ気づいたことがあった。 「・・・・・ずっと・・・・・一人で?」 少し前に魔理沙から聞いたことがあった。自分と霊夢は昔からの付き合いではなく知り合ったのもここ何年か前なのだと。 魔理沙に限った話じゃない。今の宴会に集まる人たちだってほとんどがそうだ。 「俺がここに来るずっと前から、霊夢は一人でここで生活してて、妖怪退治にいって、冬になったらこんな風に雪かき して…、何年も続けてきたんだろうな…」 そう考えたら少し胸が苦しくなった。 「・・・・もっと頑張らないとな」 「何を頑張るの?」 「ぬおぁっ!」 ちょっとした決意表明の直後、背後から聞こえた声におもわずみょんな悲鳴を上げてしまった。 「れ、霊夢?いつからそこに?」 「『こんな風に雪かきして…』からだけど」 「そ、そっか…。すぐに声かけてくれればいいのに」 「だって、ブツブツ独り言いってるもんだから、さすがに躊躇しちゃったわよ」 「あぁ、それもそっか…ごめん」 「別に謝らなくても…。まぁいいわ、お掃除お疲れ様。お風呂沸いてるわよ」 「うん、わかった…」 そう返事すると霊夢は「体冷えきっちゃうわよ」と言って家の中に入ろうとした。 「・・・・・なぁ、霊夢」 霊夢は歩みを止め振り返った。 「ん、なあに?」 「今まで俺は霊夢に色々と迷惑かけたり、その度に助けられてきた。たぶん、というか確実にこれからも色々と霊夢の手を 焼かせるようなこともあると思う。…でも」 霊夢は何も言わずに立っている。 「いつか・・・・いつか霊夢を心から支えられる男になりたいって、決めたんだ。 だから・・・・・今年も・・・・・世話になってもいいか?」 自分の今の気持ちを伝い終えた。お世辞にも良い言葉だとは言えないだろうし、他人からしてみればとても安っぽい言葉かも しれない。だけど、これが今の自分の本当の気持ち。 「・・・・・・・霊夢?」 「・・・・・・・・・・・・フフ」 少し間を空けてから不意に霊夢は笑い出した。ギャグを言ったつもりじゃないのだが… 「なっ…何で笑うんだよ!」 あんな事を言った後に笑いが起こると流石に恥ずかしくなってきた。 「あ、ごめんなさいね。新年の挨拶にしては凄く真剣な感じがしたもんだから、ついね」 「…そーですか」 一気に体から力が抜けていくのがわかった。 「あぁ~、ま~そーいうわけだから。んじゃあ俺は風呂に入らせてもらうよ」 そう言って霊夢の横を通り過ぎ母屋に向かおうとした。 「一つだけ・・・・訂正さしてくれない?」 後ろから霊夢の声がした。振り返ってみるとそこにいる霊夢の顔が 今まで見たことの無い、とても優しく、人懐っこい笑顔をしていた。 「『今年も』じゃなくて・・・・・『これからもずっと』よ」 後書き===================================================================================================== ども、328でっす。石は投げないで下さい… 今までは皆さんの勇姿を遠くから見ていただけでした。 しかし!多くのすばらしい作品をみるたびに自分の妄想が膨らんできてしまい、 やっとこさ吐き出す決心がつき、今回は投稿させてもらいました。 初めてSSを書いたもんですからおかしい部分も多々あると思いますが… いやぁ37氏や363氏の様に甘さ全開には書けませんでした! 甘さ控えめな上に微妙なネタを盛り込んでしまい、なんともしょっぱいものになってしまいました。 このSSを見てほくそ笑んでくれたら幸いです… おまけシナリオ============================================================================================= 「う~寒い。早く暖まらんとな」 震える体を抑えて風呂場へと向かう。 「ほら、風邪ひかないうちに早く入っちゃいなさいよ」 「はいはい。…何か霊夢ってお母さんみたいだよな」 そう言うと霊夢の顔が少し紅くなった。 「な、何変なこと言ってんのよ…」 「いやぁさ、子供の頃にも母親から同じようなこと言われた気がするんだよ。 今日みたいに家の周りが雪でいっぱいで、子供にしたら最高に遊べる環境だったんだよ。」 霊夢の表情もすぐに元に戻って、俺の話を静かに聴いてくれている。 「夕方遅くまで友達と遊んで家に帰るとさ、母親が今みたいに風呂沸かしてくれてるんだよ。 そういえば子供の頃は母親と一緒に風呂入ってたな。いや、ホント子供の頃だけだぞ。 で、俺も背中とか流してもらったけど、あれはよかったな。人に背中を流してもらうのってなんかスゴク気持ちもんだと 思うんだよ。霊夢もそう思わないか?」 そう言って振り返ると霊夢はいつもより少し真剣な顔をしていた。 「アレ?…霊夢?」 「・・・・・・・・・・・わかったわ」 一言そう言うと霊夢は家の奥に歩いていった。 「え、何だ?…わかったって…何を?」 カッポ――――ン そんな音が今にも聞こえてきそうだ。○○は湯船に肩まで浸かって考えていた。 「むぅ~~~、霊夢のやつ、何がわかったていうんだよ?いきなり俺が母親の話を始めたから俺をマザコンだと思ったのか? いやいや、そうだとしたらまずいぞ…何がまずいか自分でもわかんねぇけど」 などと自問自答していると戸口の方から声が聞こえた。 「○○ー、湯加減どう?」 「おーう、バッチグ~だぞ」 「そう?それは良かったわ。・・・・・じゃあ、入るわよ」 「どーぞー・・・・・・・ってオイ、入るって…」 と、ツッコミをいれようと戸口の方に顔を向けた。 カララッ 乾いた音と共に戸口が開き、湯煙の向こうに霊夢の姿がぼんやりと見えた。その霊夢の姿は… 「れ、っれれれれっれりえれっれ・・・・れいみゅ?」 「何?どうかした?」 バ ス タ オ ル 一丁! 「ちょっ…おまっ……何してんの!?」 「何って…背中流してあげようと思ったんだけど」 「えっ?・・・・あっ!わかったって、そっち!?いや、でも、あれは、こーゆーいみでいったわけじゃねぇんだげど…」 「何ワケのわかんないこと言ってんのよ?…ほら、はやくしなさいよ」 「え、ちょ、ちょっと待っ…」 今、俺はとんでもない状況に陥っている ある意味生命の危機 しかし 人生で初の女の子との入浴イベント 天国か地獄かを決める唯一の鍵は 俺の理性 「どお?背中痛くない?力強すぎたりしないかな?」 「いえっ丁度いいっす…」 「でもやっぱ男の人の背中って大きいわよね。洗い甲斐があるってもんだわ」 「そ…そうかな?」 頭の中に浮かんでくる卑猥な考えを押さえつけるのに必死で、霊夢の言葉に相槌を打つのはやっとのことだった。 (やばいぞやばいぞやばいぞ…。今まで生きてきてこんなにおいしいイベントは初めてだ…。だがもしここで自分の 欲望にかられたら、それこそ幻想郷住人からは女の敵とみなされLWの雨あられ、死んだところで三途の川はあの 巨乳死神に渡してもらえないだろうし、裁判長にはラストジャッジメントで消し炭に…チクショーこんな所で輪廻 の環からはずれてたまるかっつ~の!でもどうせなら死ぬ前に間近に霊夢のバスタオル姿を脳裏に焼き付けてやろ うじゃないか!いよっしゃ~見るぞ、見てやるぞ!ビビッタリなんかするもんか!) チラッ ←ビビリ 「・・・・・・・・・・」 初めて見る霊夢の素肌は、外で見た雪よりも一層白くて、スラッと伸びる手や足はいつも見せる力強い弾幕ごっこ をやってのけている姿からはとても想像できないほど華奢なものだった。 (そして、このバスタオルの下には、まだ俺の知らないもう一つの幻想郷が…) 「・・・・・・・・あっ!ちょっと○○!」 「えっ?あぁっ!!ごめんなさい!別にそういう意味で言ってみたわけじゃn」 「何ワケわかんないこと言ってるのよ!?それよりも鼻血出てるじゃない!」 「え?あ、ホントだ…」 漫画のキャラかよ…俺… 「一体どうしたのよ!?もしかしてのぼせたんじゃ!?」 (いや、ほとんどアンタの所為だよ…) 「と、とにかく止血しないと…。ティッシュ取って来るわ!」 そういって霊夢は戸口から出ようとした。 「い、いや大丈夫だよ、すぐに止まるから」 「そんな事言ったって…」 俺が呼び止めて霊夢が振り返った瞬間、霊夢の体に巻いてあった一枚に結界が… 「あっ」 「!!!!!!!!!!!(絶句)」 落ちた 「? アレ?」 気づくと霊夢は少し恥ずかしそうな顔をして突っ立っていた。格好はチューブトップに短パンという今までに見たことの 無い服装で。 「何だよ、ちゃんと服着てたんじゃないか。なんでそんな紛らわしいことを…?」 そういうと霊夢は顔を真っ赤にして 「なっ!何でって…! 男の人の前でチューブトップに短パンなんて恥ずかしいでしょ!?」 (そーゆー問題じゃねぇだろ…。やっぱ変わってるわ、この巫女。ってか何であんな服もってるんだよ…) おまけ後書き================================================================================================= 正直に言います。今回はこれが書きたかったんです…本編はコレに繋げるための前フリでした(爆 ちなみに元ネタは某家庭教師マンガからもってきました。 394 「……まあ、なんだ」 某月某日、博麗神社。 「俺が悪かった。だからそんな虚ろ、というかウロな目で俺を見ないでくれ」 久しぶりに呼び出しがかかり外の世界……というか俺の故郷に帰っていたのだが。 帰ってきて出迎えてくれたのはいい感じに出汁が取れそうなくらいに干からびた人間だった。(東方寄集録・紅、もしくは白参照) 場所と服から霊夢だという事は間違いないが…… 「とりあえず飯だな。幸いにも向こうに行ったときに食料はたっぷりと……」 ふと気づく。……先に出汁をとったほうがいいんじゃないか? もとい。先に水につけて戻しておいたほうがいいんじゃないか? * 少女吸水中…… * 「……ぷはあ、生き返ったー」 「そろそろ人間超えてきたんじゃないかお前」 とりあえず風呂桶に霊夢出汁のコンソメスープを作り、そしてそれは彼女自身に吸収されていった。 で、今は外見年齢に相応しい水も滴るいい少女になっていたり。 「とりあえず体拭け体」 「もったいないからイヤ」 もったいないって、それ曲がりなりにも風呂の水だぞ? 「風呂水でも飲めるものなら飲むの。……ちゃんと煮沸消毒はするけど」 自分でも言ったことが少々アレだと気づき、後付でフォローする。 「あー、とりあえず飯食うか。今日は俺が買ってきたから」 まあ、俺も腹は減ってるし。とりあえず体を乾かさないと…… 「霊夢?」 「何よ」 「悪いが、味を見させてくれ。」 レロレロレロレロ ひあーん…… 「……何考えてるのよこの変態は」 「いや、悪かった。いっぺんやってみたくてな」 完全に怒った霊夢と頭にアミュレットだの針だのが刺さっている俺。 ……ちなみに、『人間には害はない』らしい。痛いが。 「にしてもこれおいしいわね。手が汚れるけど」 「ああ。とはいえ食いすぎると胃がもたれるがな」 今俺たちが食っているのは某爺がトレードマークのファーストフード。 あいつが見たら卒倒するかな?こんな光景…… 「かわいそうね、ミスティアも」 「いやそれ言うなって」 なんとなく食えなくなるんだよそう言われると。 「なら私が貰うわね。どうせ久しぶりのごはんなんだし」 とか言って全ての肉をかっぱらわれた。 「……まったく。まあ俺にはこれがあるから」 そう言って取り出すは某チキンカツサンド。これはうまい。 包みを開け、一口。 「ぬふぅ」 なんともまあいやな顔になったろう。それほどにうまいのだ。 「(某ピエロの店)は安さで勝負してるけどやっぱりこれもうまいんだよなぁ」 でも金がないときは(某ピエロの店)に行くが。 「ねえ、(某ピエロの店)って何?」 「外の世界の食堂みたいなもん。地方では(某ッピ)とか(某ピエ)とか略されてるけど」 たしか(某ピエ)が関西だったな。 「じゃあさ、今度外に出たら(某ピエロの店)の物買って来てよ。食べてみたいから」 「ん」 とりあえず次に出るときには乾燥させないようにしよう。そうでなきゃこっちの心臓が持たない。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 469 境内に響く声、思ったより早くばれてしまったようだ。落ち葉を掃いていたが 久々にいい天気で暖かかったので縁側で仰向けに寝転がって日向ぼっこしていた。 声がした方を見やると目の前には盆を持った霊夢が。そして自分の目の前に 盆が置かれる。覗き込むとそこには茶の入って湯気の立っている湯のみが二つ。 「お、サンキュ・・・」 お茶に手を伸ばしたそのとき、微かに視界が薄暗くなると同時に 腹の上に強い衝撃。反射的に息がむせて握った湯飲みから茶がはねる。 目を茶から離すと腹の上に霊夢が腰掛けていた。 「もう、早いところ落ち葉集めてくれないと焼き芋できないじゃないの」 「ぐっ…いまの不意打ちはちょっと効いたぞ」 いくら小柄な女の子とて完全に予想外の不意打ちで無防備だっただけにかなり効いた。 「あんたがサボってるのが悪いのよ」 「やってくれるな、こうなったら…仕返しだっ!」 「ちょ、何するの…キャハハハハやめてくすぐったい!」 仕返しに両手を伸ばして霊夢の腹や腋をくすぐってみる。 霊夢がそんな無防備な巫女服なのがいけないんだ。反応が なかなか面白いのでこちょこちょをエスカレートさせてしまう。 「キャハちょっと、いいかげんにしないと!」 不意に両腕の力が抜ける。だらしなく床に落ちる自分の両腕。 驚いて見ると自分の胸の上に符を貼りつけている霊夢の姿。 「あー、ずるいぞスペルカードとか」 「はぁはぁ…こ、これであんたは動けないわ。お仕置きし放題ね」 もがくにもまるで四肢の運動神経が切り離されたかのように両腕・両脚が 反応してくれない。首から上は動くようだがこれだけではどうしようもない。 「観念しなさい。さぁどうしてあげようかしら」 「・・・やさしくしてね・・・」 「…やっぱやめとくわ。気持ち悪い」 幻想郷にはスペルカードとか弾幕とかあって、さらには体術もそこそこ出来る みたいなので外界由来の自分がまともに勝負できるとしたら話術くらいである。 もっとも、話術も正直互角なのかかなり不安ではあるが。 「そういえばあんたがここに迷い込んできたのもこんな天気のいい日だったわね」 「そうだったか?」 「元の世界にはもう帰らないの?」 「霊夢が俺の上に座ってる限りは帰『れ』ないな」 そう言うと無言で腰をどかす霊夢。 「おっと、そんなに帰って欲しいのかい?」 「だってあんた苦しそうだったし」 「お、俺はこの位平気だぜ」 「ふーん、じゃあ・・・」 霊夢は立ち上がると何を思ったか俺の腹の上を跨ぐように足を置き 「これでも平気かしら?せーの・・・」 「ちょ!待った待ったストップ!尻餅はやめてくれ死んじゃう!」 「平気って言ったのはどこの誰かしら?」 「いや、尻餅はかまわんがせめて最期に中を拝みたいから腹じゃなくて顔の上に」 「むしろその減らず口を封じるために顔の上ね」 霊夢はそう言うと俺の上からどいて縁側の縁に腰掛ける。 「…寝ながらお茶なんて行儀悪いわよ?」 「あぁ、そうだな」 自分も霊夢の言葉を受けて湯のみを取り霊夢の隣に腰掛ける。 気づけば胸の上に置かれていた符は既に時間切れで蒸発していた。 「お前思ったより重かったな」 「失礼ね」 「でも、ちょっと安心したぜ」 「?」 「本当は霊夢なんて幻か何かなんじゃないかとか一時期思ってたんだ」 「なんでよ」 「ほら、霊夢っていつもふよふよ飛んでたりなんか何考えてるかよく分からない時あるし、 でも、霊夢の重みでなんていうか改めて存在感を確認できたような気がするよ」 「またひどい言われようね、私ならほらちゃんとここにいるじゃないの」 「俺が幻に惑わされてるわけでなく、霊夢が確かにこの目の前に居るって判った 今だからこそ言えるけどさ、俺は霊夢が好きだからいつまでもずっとここにいてもいいか?」 「・・・うん、私もちょっと好きかも。最初は魔理沙や紫とかと同じようにしか思ってなかったけど こうやってずっと一緒してるとやっぱどうしても意識するようになっちゃって」 「それはきっと俺と霊夢の間に出会った最初の日から見えない運命の紅い糸で結ばれていたからだよ」 「「・・・・・・」」 「・・・なんてな、ちょっとクサかったか」 「相当クサかったわ」 「お前俺の上座ったとき屁こいたろ」 「その余計な一言が自分の寿命縮めるのよ」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 541 最近○○と一緒にいる時間が少ない気がする。 朝早くから出かけてしまい、昼ご飯のときに一度だけ戻ったら後は夜まで鉄砲玉。 何をしてるのか聞いても「悪い、今急いでるから」とか言って取り合ってくれない。 掃除中の神社の境内が広く感じた 文が、アリスと一緒に人里で買い物をしている○○を見たって言ってた。 気になる。けど聞くのが何か怖い。 とりあえず文を“説得”して、記事にするのはやめさせた。 疑いたくないのに不安が募る。 ○○とけんかした。アリスとのことを問い詰めたから。 ○○は一瞬言葉に詰まった後、ごまかそうとした。 だから怒って追求したら、「言えないものは言えないんだ」って逆に怒られた。 神社の境内がとても広く感じた。 その日の夜、「これやる」といって○○が包みを二つくれた。 中にはそれぞれクッキーと、不恰好なリボンが入っていた。 赤い布地に白いレース、素人丸出しの不揃いっぷりだった。 ○○の指には絆創膏がいっぱい。今まで気付かなかった。 不意にアリスといた理由がわかった。 何か言おうとしたとき、○○が「ごめん」と一言だけ。 なんだか涙が止まらなくて、あわてる○○の顔がおかしくて、 だから涙が止まった後も、ちょっとだけ嘘泣きを続けた。 ○○はその間、私をぎゅっと抱いてくれていた。 「まったく、わざわざ何日も家庭教師をしてあげて、お礼がクッキー一袋? 割に合わないわよ、もう」 そう言いながら、アリスは道具と本を片付ける。表紙には、「レースの編み方入門」とかかれていた。 周りには、アリスが作ったにしてはあまりに不恰好な、レースの飾りが散らばっている。 「デモガンバッテタァヨ? アリス」 「ガンバッテター」 「そりゃあね、でも片付けぐらいちゃんとしていきなさいよ、いくら日付が変わりそうだからって…ねぇ?」 「ソゥダネェ」 「カエルマデガエンソクー」 「遠足とは違うけど…まあそういうことね。全く、生徒が先生に片付けさせるなんて」 そういいつつも、片付け続けるアリスの表情は、あんまり怒っているようには見えない。 「ま、頑張ってたし、このくらいは見逃してやるか、次は無いけど」 「ツギハァナイー」 「ナイー」 楽しげに復唱する人形達の姿にクスリと笑うアリス。 そうして片づけが終わる頃、非常識な来客が現れた。 「ようアリス、邪魔するぜー」 「ァ、マリサダー」 「マリサー」 「邪魔するぜー、じゃない! 藪から棒になによ魔理沙!」 「いや、実験にちょっと失敗してな? ほとぼりが冷めるまでうちに戻れないんだ。つー訳で泊めてくれ」 「と、泊めてくれって、あんたねぇ!」 「マリサ、ォトマリィ?」 「オトマリダネー」 突然の展開に混乱するアリス。だが、その顔こそ赤くなってはいるが、あまり嫌そうでもないように見える。 「お、クッキーか? 丁度小腹がすいてたところだ、どれ一つ」 「あ、こら!」 「ふむ、なかなか。作り方変えたか? 味がちょっと違う気がするが。市販?」 「べ、別にいいでしょそんなこと!」 「そうだな、ま、アリスも一枚食べてみろ、いけるぜ。その間に私が紅茶を入れてきてやろう、今日は特別だぜ?」 「あ、あのね」 「何、気にするな、泊めてもらうんだしこれくらいはするさ」 「勝手に話を進めない! って言うかそれ秘蔵のお茶っ葉! こらー!」 「かたい事言うなって」 「も~~~!」 「「ティーパーティー♪」」 その後、しばし真夜中のお茶会。 その中でアリスは、ブツブツいいながらも……その顔はどこか、楽しそうだった。 次の日、魔理沙が来て、「何だ? そのひしゃげたリボンは」とか言ってきた。 カチンときたのでぶっとばした。 いいのよ、これはこれで。 だって、それでも一生懸命に作ってくれたって事だから。 あとがき―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ホワイトデーネタのつもりでやってみました。 いつものに似た新しいリボンを作ってプレゼント。 ……霊夢のリボンって赤地に白いひらひらの縁取りでよかったですよね?。 ~チラシの裏~ 原稿用紙の書き方を久々にもう一度見返してみて、自分の書き方が大体間違ってなさそうなことに安心したのも束の間、 前回流し読みしたときには気付かなかった項目が一つ。 「…(三点リーダ)」は2個1セットが基本だったとは……。 今までふつーに1個1セットで済ませてました。orz ~ここまで~ それ以前にまず霊夢が霊夢じゃねぇ……orz ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 398 二人きりになったとたんに霊夢にごろごろ甘えられたい。 ごろごろ ごろー 普段のそっけない態度と打って変わって ごろごろ ごろー ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 400 「部屋片付けに来てあげた……わよ」 休息日の昼下がり、呼び鈴が鳴ったので玄関の戸を開けると、霊夢が立っていた。 先日酒の席で「散らかり放題の僕の部屋を片付けてやる」と意気込んでいたが、 本当に来るとは思わなかった。 「はいはいどいてどいて」 突然部屋から引きずり出され、布団と一緒に縁側に放り出された。 ――な、なんか凄いやる気を感じるんだけど。 「とっとと済ませれば後が楽なのよ」 ガンガンとまとめられるゴミ。みるみるうちに部屋が片付いていく。 僕はその間に布団を干し、叩く。 「はい、お終いっ」 振り向くと霊夢は玄関から出て行こうとしていた。 声をかける間もなく霊夢は玄関から出て行った。 ――……………ええ?もう帰んの!? 綺麗になった部屋で寝転び、嵐のように来て嵐のように帰っていった 霊夢の事を考えていると、玄関がガラガラと開いた。 「なぁーにシケた顔してるのよ」 霊夢がいろいろと食材を持って上がってきた。 ――あれ、帰ったんじゃ……? 「夕食くらい面倒みるわよ。不満なら帰るけど」 エプロンを身につけ、台所に向かう霊夢。 文句なんかあるわけがない。 ――僕も手伝うよ! 「楽しみに待ってて、と言いたいところだけど、二人でやれば二倍美味しいものができるかもね」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「霊夢、好きだぞ」 「あぁそう? それはどうも、私もあんたのことは嫌いじゃないわ」 と、真顔で言っても全く照れない霊夢が俺のジャスティス 3スレ目 579 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 841 いかん、霊夢分が不足してきた。 空飛ぶ不思議な巫女 「私ね、空が飛べるの」 「ハァ?」 「信用してないようね。ちょっとやってみるから見てなさい、ほらっ」 宙に浮く霊夢 「…!?@\★◆∀ΖΘνF91」 「あら、驚いて声も出なくなっちゃった?ちなみに素敵なお賽銭箱はそこよ」 「…ぱ、ぱんつはいてない」 「☆◎#※∇∵ÅД%!?」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 4スレ目 51 なぁ霊夢。 「何よ。」 いや、何よて。幾ら傘が一つしか無いからってくっ付きすぎだろ。 「いいじゃない、減るもんでもなし。」 いやほら、俺男だしあまりくっ付かれるとムラッとくるっつーか過ちを犯しちゃいそうになるっつーか…。 「○○になら…」 ん? 「○○になら…その…私は後悔…しな…ぃ…。」 霊夢…、本当に俺なんかでいいのか? 「……。(こくり)」 (省略されました・・初夜を読むにはエイジスプロテクターからデストローイ、デストローイ) ───────────────────────────────────────────────────────────
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ゲームの画像を載せる場所です モンスターハンターの画像 モンスターハンターの画像はここにお願いします その他のゲームの画像 それ以外はこちらへ
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主人公組、博麗霊夢のSSを投稿してください
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『霊夢厨』 霊夢一筋な東方厨。VIP東方で『霊夢厨』と言えば概ね彼の事を指す。 霊夢が好きな厨は他にもいるのだが、彼らはスレに頻出するわけではないので あまり話題に挙がらず、相対的に霊夢好きのなかでもよく現れて目立つ彼の事を 主に混沌板他のヲチ的なスレの住民が『(あの)霊夢厨がさ~』と話題に挙げるようになり いつの間にか、それがそのまま定着した。 しかし、霊夢厨についての話題は、概ね博麗霊太による私怨がらみ(霊夢は自分のものだ、とか) だったりするので、ババを引かされた感も拭えない。 霊夢のことを『霊夢さん』と呼ぶことから、『霊夢さんの人』とも。 ■レスの特徴 レスは丁寧語で行い、おおむね三行前後の文に落ち着ける。 博麗神社での出来事を中心に、霊夢との悠々とした日常を描く内容が主。 幻想入りしているらしく、霊夢と博麗神社の屋根の下、共に睦まじく暮らしている(という設定)。 あまりウケを狙った文は書かず、たまにギャグを言うときも、のほほんとした雰囲気は変わらない。 『バリゾーゴン』などどこか使うネタが古臭く、キレた事も言わず、常々柔和で落ち着いた風であるので どことなく隠遁したジジイみたいな印象がある。 その雰囲気から意外に思われがちだが、一人称は『俺』。 文章には気を遣っているようで、作法も修めているので読みやすい。 『つくり』について言えば、現行の常連の中では最も洗練されていると言えるだろう、 その情味豊かな内容には、時にそれを讃する声もあがる。 文章の玄妙さが突出しているためだろう、定型に依存せず、奇もてらわず、飽くまで正統の純愛路線を 文章力のみでゆき、それでしっかり認知もされているのは、この霊夢厨くらいなものである。 二人で夜の空に飛び立ちたい東方キャラ 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/04/06(金) 21 59 22.85 ID WIAvL7kJP ちょっと夜空を見上げたら、また随分と明るい夜だと思いませんか霊夢さん 十五夜は明日ですけど、今宵の月も綺麗ですよ…… 皓々たる月明かりが降り注ぐ縁側に並んで座り、手を繋ぎながら、意識を飛び立たせましょうか 果てしなく広い、星空へと その文章作法であるが、一般の人がわざわざこれを守ってレスを書くことはあまり無い(2ch、特に三行以上の 文を読むことが出来ないVIPPER相手に句読点を使ったり文が嵩張るこれら作法を用いる者は稀である)ので 実はどっかでSSでも書いてるんじゃないかと思われるが、末尾Pなので別スレ(及びPC)でどんな書き込みを しているかはまったく謎。 レスの中において目立った特徴としては、やたらと酒を呑んでいることが挙げられる。 霊夢と一緒に、ほぼ毎日呑んでいる。そろそろ肝臓の残機が尽きるのではなかろうか。 酒はサゲにも用いられる事が多く、大体二人で寄り添って、幻想郷の風雅とスレタイを肴に 杯を傾けあう、というパターンが多い。酒ではなくお茶のときもあるが、別の時間帯に呑んでたりするので 結局は変わらない。休肝日って知ってるのかな。 今夜は冷えるから一緒に暖まりたい東方キャラ 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/03/31(土) 21 50 26.12 ID dYI37aBSP ようやく春らしくなってきたものの、まだ北風の吹く夜は冷えますね霊夢さん コタツで肩を寄せ合いながら、ゆったり温まるのが一番です お茶でも飲みます? お酒でもいいですけど、たまには休肝日も必要ってコトで 知ってたようです。 ほかには「霊夢さんマジ女神」という定型も持ち、エロスレや微妙に霊夢のイメージと合わないスレ あるいはただ嫁を挙げるだけのような長文を書く取っ掛かりのないスレではこの文句を持ち出し お茶を濁すことがままある。 ■住民との関係 同じ霊夢好きという事で、ときおり博麗霊太から陰湿な絡まれ方をしている。 他の霊夢厨からは変な絡まれ方をしないのだが、どうやら霊太には相当気に入られたらしく レイタがホモ疑惑をかけられている事もあって、いつか霊夢厨の貞操が危機に晒されるのではと心配する声もある。 しかし、なにかにつけ霊太に煽られ迷惑を被っている霊夢厨であるが、彼の文章力やキャラクターを誰より称えてくれるのも 霊太であったりする。また、霊夢厨の方も霊太をまったく無視しているわけではなく、どうやら彼がVIPに建てるスレも チェックしているようで、たまに彼のスレへ現れて反応・会話をしたりすることがある。 更に親切なことに『霊夢厨が社会人or大学院生であること、東京工業大学を卒業したこと』などをわざわざ 教えてやってもいる。接触するたび深い関係になっていく二人であるが…… いつかお互いの住所とか教えあうレベルにまでハッテンしてしまわぬ事を願うばかりである。 とはいえ、別に霊太からという場合に限らず、他の住民から(普通に)話しかけられたときは丁寧に応じるし 自分から他の人のレスに対して反応を示すこともある。それも、真面目な話ばかりでなく、ちょっとくだけた、 ボケたレスを投げることも少なくないので、堅苦しかったり取っつきづらい人物では決してない。 ■出現頻度 早朝と夕方六時以降から深夜までを主な出現枠とするが、スレが建ってさえいれば、平日の昼とかにも 現れてたりする。ちゃんと働いているらしいので、どうやら暇な時間を多くとれる職種のようだ。 自身でキャラスレを建てる事もある。あまりVIPにスレが建たない時に腰を上げる事が多い。 名前 コメント
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ゆっくり霊夢〔ゆっくりれいむ〕 作品名:ゆっくりしていってね! 作者名:二代目まとめあき 投稿日:2008年3月22日 画像情報:640×480px サイズ:100,994 byte ジャンル:人外,ぐぬぬじゃねえ キャラ情報 このぐぬコラについて コメント 名前 コメント 登録タグ 2008年3月22日 ぐぬぬじゃねえ ゆっくりしていってね! 二代目まとめあき 人外 個別ゆ
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霊夢36 新ろだ2-322 「ちょっと、もういい時間なんだから起きなさいよ」 「ん~……分かったわよ」 そう言って霊夢はボサボサの起きぬけの姿でアリスに応えた。 身だしなみを整えて供に朝食の席に着く。 もくもくと食事を続けるが、そのうち呆れたように溜息をついてアリスが口を開く。 「ねぇ、いったい何があったのよ。いきなりうちに転がりこんできてそれで理由も話さないなんて。 まぁ○○がらみのことなんでしょうけど」 「…………」 「それにさ、あいつ、アンタのこと探し回っていたわよ。あえてうちにいること言わなかったけれど ほんと必死になって走り回ってる姿を見ると別にただ喧嘩したって訳じゃないようね」 「そう……」 「でも、ここが見つかるのも時間の問題ね。そして私は家の中でぎゃーぎゃー口喧嘩聞かされるのものろけられるのも嫌なわけ。 というわけで上海、お客様はおかえりよ」 「え、ちょっ、まっ」 あっという間に人形に囲まれて不思議の迷宮から放り出される商人みたくペイッとアリス邸から追い出される霊夢。 しばらくその場でぶーたれていたがそのままで居ても何の解決にもならぬので、森から出ていく道を歩き出した。 ――はぁ、もうしばらく居候できるかと思ったのにね。結構早く堪忍袋の緒が切れちゃった。 さて、次どこ行こうかしら。魔理沙の家か、紅魔館か、紫のとこはあいつが面白がって○○を連れてきそうだから外して…… 「霊夢!」 その声に足を止め、ゆっくりと振り返る。そこには膝に手をついてはぁはぁと乱れた息を整えている○○の姿があった。 「……見つかっちゃったか」 「見つかっちゃったじゃないだろ! 何で急に居なくなったりしたんだ! 心配したんだぞ! それに」 後に続く言葉を察して霊夢の顔に憂いの色が浮かぶ。 「永琳から聞いたぞ。お前、お腹に赤ちゃんいるんだって? 何でそんな大事なこと俺に言わない!?」 「……んたが」 「え?」 「あんたが、情けないこと言ってたからじゃない!」 そう言った霊夢の感情はついに爆発する。 そのこととは少し過去に遡る。 二人が一緒に暮らし始めてようやく日常が普通に馴染んできた時の話。 買い物帰り、寺子屋の前を通りかかった時、ちょうど授業が終わりらしく、子供達が彼女にさよならを告げ、各々が帰路についていった。 「ああ、気をつけて帰るんだぞ。ん? おや、霊夢に○○か。どうだ暮らしの方は? お前にとってまだ慣れないことも多いだろう?」 「まぁ、それもおいおい慣れていきますよ」 「私が尻叩いて無理にでも覚えさせるし」 「はっはっは! もう尻に敷かれてるのか! まぁその方がうまくやれるのかも知れんな」 そんな世間話をしていると側に子供が居ることに気がついた。まだ年の頃は小学生低学年くらいだろうか。 霊夢と○○を見比べて口を開いた。 「ねー。お兄ちゃんと、はくれいのみこさんは赤ちゃんつくらないのー?」 「んなっ!?」 「こ、こらっ! いきなりそんな不躾なことを聞くんじゃない!」 「えー、だって母ちゃんが隣のおばさんとそんなこと言ってたもん。次の巫女さんが生まれるのいつになるのかしらとかまだ若い二人だから夜は激しいんだろーって」 「……はぁ、主婦の噂話程度に口出しするのはやぶさかではないが、一度保護者を集めて注意を促すべきか」 「う、あ、その、こ、こどもねぇ……そ、そりゃ、し、していれば、いつかは、で、できるものだし、けっこう、かず、かさねてるから、もしかしたら、も、もう? あわわ……」 そう溜息をつき何やら試案している慧音、顔を赤くしてごにょごにょと言っている霊夢、仕方なく○○が答えることにした。 「んー、悪いが俺達はまだ子供を産む気にはなれないな」 「えっ……」 「えー、どうしてー」 「そりゃ俺が結婚とか子供の世話しているなんて考えられないし、自信も持てないからね」 「ふーん、おいら子供だからよくわかんないや」 「お前なー、聞いておいてそれはないだろ」 そう笑いあう○○を何処か悲しい目つきで見ている霊夢―― 「あ、あんなこと、言われたら、こっちだって、不安になるわよっ! うっ、ひぐっ、ほんとは逃げてしまいたいんでしょ! 自信ないから! 怖いから! えぐっ、そんななか、子供できたなんて、言い出せるわけ、ない、じゃないっ! うっ、ぐっ……うああぁぁぁああぁぁっ!!」 目から大粒の涙を零し慟哭する霊夢。そんな彼女を見つめ、バツが悪そうにガシガシと頭をかくと○○は霊夢を胸の中へと抱き寄せた。 「ごめん、そんなに霊夢を不安にさせているなんて思わなかった。実際、まだ怖いんだ。霊夢とのこれから先のこと考えるだけで恐ろしくてたまらない。 だけど、頑張るよ。怖いけど逃げない。スペルカードもないし、弾の一つも満足に打てない俺だけど、ずっと霊夢の側にいるから。 だから、霊夢、俺の子供を生んでください」 「う、ぐ、うわああぁぁぁぁぁっ!! ○○のばかぁっ! もっと早く言えぇっ!」 憎まれ口を叩く霊夢だがしっかりと○○の服を掴み、今まで抑え込んできたものを吐き出すがごとく泣きじゃくる霊夢。 ○○は今まで不安にさせていた罰だと思い、しっかりと彼女を抱きしめて幼子をあやすように長い黒髪を優しく梳いてあげた。 泣きすぎてまだしゃっくりが止まらない霊夢を連れて神社に戻るといつもの連中が集まり祝宴の準備が整っていた。 あっけにとられる二人に魔理沙とアリスが近づく。 「よぉ、ご両人。この度はおめでとうございますってな」 「放り出してからあまりに霊夢らしくなかったからちょっと気になって後をつけてみたんだけどね。まさかあんなすさまじいことになるとは思っていなかったわ」 あの大胆な告白を見られていたと分かり、真っ赤になって湯気を吹く二人。 そんな二人を見て微笑ましいものを見たという顔をするアリス。こりゃ当分いじるネタには尽きそうにないという顔をする魔理沙。 「で、急遽祝宴をあげることにしたんだけど、相変わらず騒ぐのが好きな奴らねぇ。勝手に集まりだして勝手に宴会の準備を始めるんだから」 それでこそ幻想郷だという気になり苦笑する○○の頭をはたく魔理沙。 「いてっ。何すんだ魔理沙」 「○○。お前気負い過ぎ。不安なら私らを頼れ。何のために友達やってんだと思ってるんだ」 「悪乗りすることもあるけれど、基本的にはみんな二人のこと心配してるんだから。いつだって頼ってくれて構わないんだから。他の奴らは知らないけど私はいつでも相談に乗るわよ」 後ろからふざけんなネクラーやら自分だけ株あげようとするなーなどの野次が飛んでくるが気にも留めないアリス。 「さ、主賓がいつまでもぼーっとしてちゃ仕方ないでしょ。行きましょう」 「あ、ちょっと、アリス、引っ張らないでってば」 「私達もいこうぜ。あ、霊夢にはあんまり飲ませられないのか」 「……ぐすっ、なめるんじゃないわよ。この程度飲み干せないで何が博麗の巫女よ」 二人はただ、嬉しかった。自分達は一人ではない。こんなにも頼れる友人がいること。 その人達に祝福されている自分達は何と幸せなことか―― 相も変わらずたたずむ博麗神社。その境内で乳飲み子を抱き慈愛の顔で見つめる霊夢。 その側に音もなくアリスが着地する。 「その子が新しい巫女になるのね」 「さぁ? なるかもしれないし、ならないかもしれないわ。この子次第ね。私はどっちでも構わないし」 「ずいぶん放任ねぇ……。あら」 アリスが来たことに気付いたのか赤子はアリスに必死に手を伸ばす。差し出された指を小さな手で掴むと安心した顔で眠りにつく。 「……かわいいわね。私もちょっと欲しくなってきたかも」 「○○は貸さないわよ」 「借りる気もないわ」 「……ねえアリス、この子が大きくなっていろいろ世話かけると思うけれど、夫婦、親子そろってよろしく頼むわね」 「はいはい、分かってるわよ」 呆れたように言ってはいるが決して嫌そうではない。 しっかりと幼子を抱き抱えると二人は神社の私室へと上がっていった。 ――このありふれた日々、しかしこれほど他に変えられないものはない。 沢山の友人に囲まれていること。それに勝るものなど。 道は続く。恐れ、逃げ出したくなることもあるだろう。 それでも、支えてくれる人がいる。 倒れたとしてもまた進み出そう。歩くような早さでも、また新しい道へ―― 新ろだ2-339 ある日ふと現世から迷い込んだ世界、幻想郷。 大けがを負っていた俺を助けてくれたのは博麗神社の巫女、霊夢。 その愛くるしさと性格から俺はいつしか霊夢を好きになった。 そして博麗神社でお世話になるうちに、俺と霊夢は相思相愛の仲に。 周りの連中から揶揄と祝福を受けながら暮らす俺たち。 そして10月、1年で1度だけ下界に戻れる月、俺は下界の里帰りと旅行を兼ね、 紫様の許しの元、霊夢を実家に連れて行った。 実家ではいきなり戻ってきた息子に妙齢の娘が付いてきたことでてんわやんわとなり、 霊夢は引っ張りだこだった。 そして霊夢には色々な下界の場所に連れて行き、そして遂に、幻想郷に戻る日が近づいてきた・・・ ギュルルン、ギュルルン・・・ 霊夢「ちょっと、このバイクって奴?すごく匂うんだけど・・・」 ○○「まああっちでは油をそんなに使う訳じゃないからな、確かにきついかも知れない。」 霊夢「でも、こっちの人間って不便よね。あたし達と違って空飛べる訳じゃないから こうやって乗り物に頼らないといけないし・・・」 ○○「そうかもしれないけど、このバイクは別だ。霊夢が空を飛んで感じる、風の流れを 同じように感じられる、良い代物だよ。」 霊夢「ふーん。でもこのヘルメットとかあと上着?、とっても重くて面倒よ。 あーあ、幻想郷だったら空飛んで楽ちんなんだけどなー。」 ○○「まあ物は試しって事で。そりゃ!」 そして俺はアクセルを回す。 ブロロロロオロ!ドクドクドクドクドクドク! ようやくエンジンが暖まりかかったようだ。 ○○「よーし、じゃあ信州の旅に出発だ・・・とりあえず神奈子様と諏訪子様がこっちに来ているって言うし。 しかししばらくこっちとお別れだが、良いのか?」 霊夢「まあ、こっちの旅も結構堪能したから良いわよ。それに良いお茶も一杯買ったし。 ありがと、○○。」 ○○「ええ、どう致しまして。じゃあ俺が乗ったら霊夢、後ろに乗って。」 霊夢「わかったわ。でもちゃんと運んでよ?」 ○○「霊夢が重くなければね。」 霊夢「・・・こっちの世界でもスペカは実現可能よ?」 ○○「今回はお茶とかそういうのがあるからだよ。」 霊夢「・・・もう。」 赤と黒のアクセントが光る俺のモタード型XR400。 こいつも今でこそ手元にあるが既に生産が止まっており、いずれ幻想郷に流れ着くことは確実だ。 っていうより昨年からオフロードのバイクが続々香霖堂近くで確認できた。 霖之助さんにはバイクの概念を説明したが、バイクの修理を出来るエンジニアが幻想郷にはまだ流れ着いていないらしい。 とはいってもいずれはそっちに来るだろう。その時には幻想郷で乗り回せるかな? ○○「よーし霊夢、しっかり掴まってろよ!」 霊夢「じゃあ帰りますか、博麗神社へ。」 スタンドを外しアクセルを回す。 さて、目指すは長野のあの神社。 とりあえず旅の祈願とこちらに戻ってきた二柱へのご挨拶を経て、北信にて紫様と待ち合わせたのち 霊夢と一緒に幻想郷に戻る。 また神隠し扱いか・・・顕界にご迷惑をかけっぱなしだなぁ、アスファルトの光景を流しながら考えていると 霊夢「すごい・・・景色が流れて・・・何か風も見える・・・」 ○○「そうだろ?長野はもっと凄いんだぜ。とっておきを霊夢に魅せてやるよ。」 霊夢「こういうのも、また悪くないわね・・・」 ○○「いつでも乗せてやるよ。霊夢が望むなら。」 霊夢「・・・うん」 都内を抜けて高速道路に乗る。バイクは快調だ。 そしてやってきた諏訪。本宮と秋宮をそれぞれ参拝したあと、約束の前宮へ。 諏訪子「やっほー霊夢。良い神社でしょ-。湖とか温泉とか色々みていってよ-。」 神奈子「まあ博麗神社もこれくらいの規模があれば、参拝客には困らないと思うが、どうかな。」 霊夢 「・・・アンタら、幻想郷に戻ったら絶ー対ーぶちのめしてやるから。」 ○○ 「オイオイ霊夢、物騒なことはやめろって!。こっちでは曲がりなりにも一の宮の神様・・」 霊夢 「そんなのアタシには関係ないわ。大体この前宮ってさっきの所と比べるとかなり貧相なところじゃない。」 ○○ 「さっき見てきた神社2つに比べればそうかもしれないが、ここは4つで1つの神社なんだぜ・・・」 霊夢 「え、ええええ!?」 諏訪子「そうなんだよねー。○○、あとで春宮連れて行ってあげてよ。どうせ北に向かうんでしょ?」 神奈子「もちろん翡翠のおみくじは引いて帰ってくれ。きっと幸運間違い無しだ、○○」 ○○ 「諏訪子様、神奈子様・・・お心遣い大変痛み入ります・・・」 霊夢 「○-○-?!早苗みたいな言葉遣いして、あんたどっちのみーかーたーなーのーよー?!」 ○○ 「あああ、霊夢さん落ち着いて落ち着いて!俺は霊夢さんしか見てないから!好きだから!愛しているから! それに諏訪子様と神奈子様は神様なんだし!!」 霊夢 「な、な、なにどさくさに紛れて変な、ちょ、ちょっと、て、照れるじゃないのよ!!」 諏訪子「あれー、あの翡翠って縁結びの効果あったっけ-?神奈子-?」 神奈子「さあ。でもおみくじ引く前だから、関係ないんじゃないの?それにしてもお熱いこと。 私達も当てられそうだわ。」 霊夢 「うーーーー、絶対あとでコテンパンに・・・」 ○○ 「ま、まあ、お、俺も悪かった・・・でも霊夢さ、さっきの言葉は、神様に誓って、嘘じゃないから・・・」 霊夢 「し、知らない!!ちょっと○○、こんな居心地の悪い神社、とっととおさらばするわよ! 諏訪子!神奈子!次にあったらアタシの奥義を見せてあげるんだから!」 ○○ 「失礼しましたー。」 諏訪子「なんかあーうーのも、ちょっとうらやましいよね、神奈子。」 神奈子「ああ、用事が終わったら留守番している早苗を連れて行ってあげるか・・・」 こうして俺は機嫌の悪い霊夢を道中なだめながら春宮に行き、そして宿泊地に向かった。 紫様との待ち合わせは木島となっていた。見せたい物があるらしい。 でも流石に諏訪から木島への道は長いので、今日は山田温泉で泊まることにした。 霊夢「あーさっぱりした。あそこの温泉って良い感じね。」 ○○「古くから秘湯で有名だからね。ただ混浴がないのだけは残念なんだが(笑)」 霊夢「・・・もう、いやらしいんだから・・・」 ○○「でもどうだい霊夢、長野の風は。」 霊夢「そうねー、何となくあっちの風に似ている気がする。」 ○○「秋なんかは特に心地よい風が感じられるぜ。けど冬は雪が多いから こんな風を感じる事は出来ないんだ・・・」 霊夢「ふーん。」 ○○「明日は山間の中を通るから、綺麗な景色がよく見られるよ。」 霊夢「ほんとに?」 ○○「ああ、途中でおやき買って2人で食べよう。もちろんお茶付きでね」 霊夢「アンタにしてはイキなことするじゃない。じゃあせっかく買ったお酒で乾杯するわよ。昼間の分、付き合いなさい。」 ○○「へいへい。ただ飲み過ぎてどうなっても知らないよ-。」 霊夢「・・・・・別にアンタだから、良いんじゃないのよ・・・」 ○○「・・・・・」 俺は買ってきた真澄の生搾りに手を付けることにした。 ○○「あー、このキリッっとした感じがたまらないねー」 霊夢「外のお酒も美味しいものね-。」 ちょっと紅潮した霊夢の顔がとても愛おしい。 ○○「霊夢、そんな離れてないで、もうちょっとこっちにおいでよ。」 霊夢「も、もう・・・何しようって、いうのよ・・・」 ○○「二人で寄り添ってお酒飲むだけですが、何か。」 霊夢「・・・・それだけで、終わらないくせに・・・」 まあ、こういう話も、悪くないわな。ではいただきまーす。 山田温泉でしっぽりしたあと、俺と霊夢を乗せたバイクは小布施を経由して中野に抜ける。 途中の小布施は今が栗の旬、故に栗強飯をお昼に食べる。 霊夢「あんまり強飯って食べたこと無いけど、結構美味しいのね。」 ○○「ああ、今が旬だからな。もしかしたら穣子様と静葉様が途中立ち寄っていったかも 知れないけどね。」 霊夢「こんどあっちでもこういうのせびってみようかしら。」 ○○「おいおい・・・」 そして中野を抜け野沢方面に抜け、俺はある古びた駅舎のある所にたどり着いた。 旧木島駅。 今はバス以外誰も見かけることのない場所。 そして、そこには約束通り、あの人がいた。 霊夢「なんでこんな所を待ち合わせの場所にしたのよ?」 紫 「あら、ご愛想ね。こういう所こそ待ち合わせに良いでしょ?誰も居なくて」 紫様が駅舎の前で突如実体化した。霊夢は気配で察知したらしい。 ○○「紫様、ご無沙汰です。」 紫 「あら○○、久しぶりの外の世界はどうだった?」 ○○「はい、まあ色々と・・・」 紫 「そう、でも満更ということでも無いでしょ。霊夢をお友達に紹介し回ったのかしら?」 霊夢「紫!、そ、そこまで言わなくたっていいでしょ!」 紫 「あらー、ご名答のようですわね。妬けること妬けること。」 ○○「からかわないで下さいよ紫様、確かに親や友達に自慢、いえ紹介しまわったのは事実だし。 霊夢「○○・・・もう・・・・」 紫 「その様子だと、”きのうは おたのしみ でしたね。”」 霊夢「・・・・!」 ○○「!?」 紫 「あらあらうふふ、初々しいわぁ。」 霊夢「・・・・あとで覚えて置きなさいよ、紫。」 ○○「は、はははははは」 しかしこんなやり取りをしていて、外の世界ではコスプレイヤー以外ではまず見られない ドレスと導士服を着こんでいる紫様を見ても誰もいぶかしげないのは、やっぱり賢者故の能力なのだろうか。 紫 「さて○○、いよいよ幻想郷に戻るときが来たようだけど、やり残したことはある?」 ○○「紫様、こいつとこのヘルメット2つ、家に戻しておいて下さい。」 紫 「ずいぶんお安いご用ね。それだけでいいの?」 ○○「はい、もしかしたらあっちでご対面できる、かもしれない曰く付きのバイクですからね。 駄目になるなら家で駄目になって欲しいし・・・」 霊夢「○○・・・」 ○○「でも、最後に霊夢と一緒にツーリングできて良かったですよ。」 紫 「そう、分かったわ。」 ○○「よろしくお願い致します。」 紫 「さて、じゃあ2人とも戻る前に、ちょっと見せたいのものがあるのよ。その駅の中に入ってくれないかしら。」 霊夢「え?こんな古びた建物の中に?」 ○○「ここって既に廃線になっているところですよ?紫様でもご存知ですよね?」 紫 「だからこそよ。さあ、2人とも入って頂戴。」 霊夢「何を考えているのかしら、紫は。」 ○○「うーん。」 ちょっと引っかかる物を感じながら駅舎の中に入る。 駅はホームだけが残り、構内はレールが取り払われ、雑草が怏々と茂る光景が目に映る。 霊夢「なによ、古びた建物と雑草が茂る所じゃない・・・」 ○○「そうだ・・・ってえええ?」 気が付いたら俺と霊夢は駅のレールの上に立っていた上に前から電車が近づいている。 霊夢「な、なによあれ、あれって」 ○○「ちょ、ちょっとこれって、霊夢ぅぅぅぅぅ!!」 反射的に霊夢を抱き寄せ、俺は目をつむった・・・ 紫 「はい、お疲れさま-。」 紫様の声を聞いたとき、俺と霊夢は元の場所にいた。 霊夢「ちょっと紫!!冗談にも程があるわよ!こんな所でアンタのスペカ見せて○○になんかあったらどうするのよ!!」 ○○「あ、あれって確か・・・」 紫 「どう、実際の廃線「ぶらり廃線途中下車の旅」のスペカの感触は。」 霊夢「え?アレって」 ようやく引っかかるものが取れた。 ○○「そうですよね、ここって長電木島線の終着駅。そしてアレは・・・」 紫 「○○が良く乗っていた地下鉄の電車。この駅と路線と共に、既に幻想入りした、古き良き思い出・・・」 ○○「そうですよね・・・」 紫 「○○、貴方は、また幻想郷入りすることによって、その存在がどんどん忘れ去られることになるでしょう。 それでも貴方はあっちに行くことに躊躇いがなかったか、ちょっとだけ試させてもらったわ。」 ○○「紫様・・・俺は・・・」 紫 「それ以上は言わなくてもいい事よ。幻想郷は総てを受け入れる。それはとても残酷なことって、貴方も知っているでしょ?」 ○○「はい、もちろんです。」 紫 「あの時、霊夢を確かに庇った。その事実だけで貴方の決意は十分理解したわ。」 霊夢「ちょ、ちょっと、紫。どういうことなの・・・よ?」 紫 「あらあら、知らないというのは本当に罪と言う事だわ。全く貴方は本当にハクレイノミコの自覚があるのかしら?」 霊夢「アンタが勝手に話を進めているからでしょ-!!」 ○○「オイオイ霊夢、もう良いだろ。紫様は俺に本当にあっちに戻る決意を確認したかったんだ。俺は普通の人間だし スペカが使えるわけでもない。でも、だからこそ霊夢と一緒にいたいし、自分が忘れられても霊夢と一緒なら それでいい。そういうことさ。」 霊夢「○○・・・」 思わずお互い見つめ合ってしまった。顔が赤い。 しばしの静寂のあと、 紫 「あー、お二人とも?そろそろ、いいかしらねー。」 ○○「あ、はい。」 霊夢「な、なによぉ・・・」 紫 「じゃあ、貴方たちを幻想郷に戻すわよ。いいかしら」 ○○「お願いします。」 霊夢「さっさとやっちゃってよ。」 紫 「私は残った仕事を片付けてからそっちに戻るから。それじゃまた後で。」 そうして、俺と霊夢は上から来るスキマに包まれた。 現世の画像が歪み、幻となり、消えた後紫と目玉が多く光る空間に包まれる。 あんまりこの光景って好きじゃないんだけどなっー・・・ 気が付くと、俺と霊夢は神社の境内に立っていた。 霊夢「あー、戻ってきたわ-。何だかんだ言って、自分の家っていいわよねー。」 ○○「そうだな。」 霊夢「じゃあ、買ってきた荷物とか置いて、お茶にしましょ?アンタのオススメのこのおやきを食べながら。」 ○○「蒸し器あるかい?蒸かし直すと美味しいんだよ?」 霊夢「えーと庫裡にあったかしら。ちょっと探してみるわ。」 ○○「じゃあ荷物はやっておくよ。」 霊夢「○○、お願いね。」 霊夢は言った。「自分の家っていいわよねー。」と。 俺の家はここではない。 けど、これから俺の家になる。そう思える気がした。 霊夢と暮らす幻想郷の話は、多分一杯書き留められる事になるだろう。 今はワープロが流れ着いている。阿求さんにも教えてあげよう、物語を書き連ねることを。 あと、俺と霊夢の話もね。 この紅い服の巫女が、永遠の巫女となりますように。 糸冬 Megalith 2010/10/30 1 ……さて、こうして机の前に座って五時間は経つのだが。 目の前にある原稿用紙はコンマ一ミリたりともインクが文字を綴ったあとは無い。 「書 け ね ぇ - !」 俺はそう叫んで後ろへ倒れた。 バサバサと資料の山が崩れたが気にしない、むしろしてられ無い。 あぁ、こうして時間を無駄遣いしている感じが酷く苛立たしい。 俺はやりたいことが多くて忙しいのに。 今すぐこれだけ時間をかけてもプロットの一つも上がらないアホな自分を殴りたい、無理だけど。 「あぁ~~~、ああもう!」 がりがりと頭を掻き毟った、しかし何で人間はストレス感じると頭掻いたり髪抜けたりすんのかね? 大いなる疑問だ、どうせ本能が云々、とか言うのが答えだろうけど。 つかそれよりアレですよ、アイディアですよ、プロットですよ、春ですよー。 しかしリリーホワイトにはビビらされたわ、見かけた時は春ですよーって言ってるから「アホの子だ!うわーい和むぞー!」という今考えると頭沸いてんじゃねえの? と言いたくなる位の思考に至って無用心に声を掛けたのがいけなかった。 だって奥さん、いきなり弾幕ですもの。 俺はSTGだと何回もやられて経験値をつんでクリアする方式なモンでホントああいう突然系は止めてほしい。 R-〇YPEの初見殺しの多さには驚きと同時に絶望を俺にくれたね。 あ、横スクロール系のだと後〇ラディウスがあったね、まだやってなかったから暇があったらやろう。 「って、脱線してんじゃねえか!!」 時計を見ると既に三十分経ってるし! うああああぁぁぁぁ! 何してんだよ俺ぇ!? バーカバーカ俺のバーカ!! 俺の⑨ー! あ、やべ、俺キレたわ。 もう何でもしちゃうぜ、ヒャッハー! 幻想郷じゃ常識は投げ捨てる物なんだよ! と言うことで霊夢、お前に決めたぜ! 何だかんだで結構好きだしな! しかし!が多いな。 よし、目標発見。 霊夢は炬燵に入って本を読んでいた。 しかしあの巫女服以外に服があった事自体が驚きだが、まさかセーターとはな。 アリだ、断然アリだ。 むしろ巫女服より可愛い気がする。 と後ろでワクワクが止まらない俺には一切気が付かない様子の霊夢。 くくく、これからお前は俺の手によって地獄へ墜ちるというのに暢気なものだな! と死亡フラグを一本建てて置く。 さぁ、賽は投げられたし、火蓋は切って落とされたし、舞台は整ったし、役者もそろったし、じっちゃんの名に掛け、こっそりとその背後に忍び寄った。 そして一気にその細いお腹に抱きついた。 「――――ッ!!」 もちろん口は片手で押さえてあるので叫び声は上がらない。 ついでにバックドロップを決めるように後ろへ倒れる、霊夢は俺の腹の上に寝ている体勢になった。 あとは空いてる手でお腹を揉んでやるだけだぜ! 「むぐーーっ!」 ふっふっふ、いくら叫ぼうが無駄だよ霊夢。 にしても細いなオイ、俺と同じもの食べてるとは思えないな。 「むぐっ!むぐーっ!」 うわ、柔らかいな。 もうアレだ、やーらけーのが表現に叶ってるよ。 よし、セーターの下に手入れてみようか。 「ふぐっ!むぐっ!」 お願いだからやめてとばかりに首を振る霊夢。 やべぇその反応凄い良い、オジちゃんってばワクワク通り越してドキドキしてきたよ! そうして一気にセーターの下へ手を滑り込ませたとき、俺は驚愕した。 何と霊夢が下に着ていたのは俺が幻想入りした時に着ていた物、そう、Yシャツだ。 コレはもうアリだなんてモンじゃない、破壊力が高すぎる……ッ! 手から僅かに伝わる霊夢の体温とその柔らかい感触が俺の理性に断続的にダメージを与えていたが、Yシャツとセーターという好みど真ん中の組み合わせが理性に止めを刺した。 あ、やばい俺止まんなくなっちまった。 俺の手が勝手に霊夢のYシャツをめくり、更にその中へ手を差し入れようとした時だった。 「夢想封印!」 俺の隙を突いて自由になった霊夢の右手。その手に握られたスペルカードが宣誓と共に光を発し、轟音と衝撃が俺の意識を奪った。 *** 「あともう少しだったのにーーーッ!!」 病室のベットの上で思いっきり叫んだ。 次の瞬間には声が身体に響いた痛みと、鈴仙のクリップボードアタックが俺を苦しめる事になったが。 と言うことで所変わって此処は永遠亭、あの後俺は夢想封印を受けて入院コースということです。 「まあ、少しも後悔して無いがな!」 「うるさい馬鹿!」 スコーン、とクリップボードの角が俺の脳天に突き刺さった。 鈴仙ってば良い腕してるじゃない、流石軍人。 「全く、呆れた人ですねぇ」 本当にどうしようもない物を見る目で鈴仙は俺を見る。 「ははっ……、よく言われますよ」 この時は妙に晴々とした気分だったので、その視線もあまり苦では無かった。 いや、本当に危なかった。 skmdy的な意味でも身体的な意味でも。 後で霊夢に謝んなきゃな。 病室の窓から見える空はとても高く、時折目の前を横切る蜻蛉が秋の訪れを感じさせた。 「鈴仙、一つ頼んで良いかな?」 「……物によるけど」 訝しげな表情で鈴仙は言う。 割と普通のお願いなんだけどなぁ……。 「紙とペンを一つずつ、持ってきてくれ」 今ならきっと、良い話を書ける気がした。 了 言い訳 何だか酷い感じになったのはきっと寝不足のせいだと思う。 言い訳ここまで 自分はまだ駆け出しなので、至らない点があったら教えて貰えたら嬉しいです。 イチャ絵板 2009/01/01 「霊夢、肩寒くない?」 「毎年のことだもの。もう慣れてるわよ。」 「上着貸そうか?」 「そうしたらあんたが寒いでしょ、寒がりの癖に無理するんじゃないの。」 「いや、確かにそうだけど……そう言わずにさ、ほら。」 フワッ 「…………お礼なんて言わないわよ?」 「男としては憧れるシチュエーションだからね、むしろお礼を言うのは俺の方だよ。」 「馬鹿ね。」 「男ですから。」 「…………がと。」 「え?」 「馬鹿って言ったのよ馬鹿。」 Megalith 2011/01/13 世界中の花屋に置いてある花瓶をみんなひっくり返したら、こんな具合に雨が降るのだろうなあ。 十一月が連れてきた冷たい雨の音を聴きながら、ばかなことばかり考えていた。 腰を預けている社務所の土間は牢獄みたいに冷えていて、ときおり時雨のともなった隙間風が意地悪く吹き込む。 ほんの先ほどまで通り雨の只中にいたおれの体はずいぶん熱を奪われて、手ぬぐいを探しているらしい巫女を待つ時間が永遠のようにも思えていた。 体から温かさが抜けていくにつれて、雨が土を叩く音も、風が戸にちょっかいをかける音も、徐々に遠くなっていくのを感じた。 しだいに、おれの意識はなんだか心地よいまどろみの中へ否応なしに引きずり込まれていって、ついにはもうずっと眠りこけていたいような気分になってしまっていた。 けっきょく、だいぶ遅れてやってきた巫女が鼻を摘んで起こしてくれるまで、おれはちょっとした居眠りをしていた。 巫女の持ってきた清潔そうな手ぬぐいで毛髪にしたたる雨水を拭き取っていくうち、バターみたいになっていた脳みそが感覚を取り戻したのか、雨の音をいやにけたたましく感じ始めた。 「しばらく、上がっていきなさいね」 なるほどそうか、注意して聴けば雨はさっきよりも苛烈に降り注いでいることがわかった。 冬口の時雨にしては長雨だなと独りごちると、液雨っていうのよと得意そうに巫女が補足した。 物知りな巫女はやや大きな晒しの手ぬぐいをおれに渡し、雨水をよく拭き取ってから土間を出ること、風呂を好きに使ってよいことを言いつけると社務所の奥へ去っていった。 おれは、あいかわらず面倒見のよい巫女だと感心しつつ、薄っぺらい外套のボタンを、かじかんだ手指でもって苦心しながら外していった。 たっぷりと雨水を吸い込んだ衣服をなにもかも脱いで下着姿になってしまうととても身軽で、そしてなによりかえって暖かだった。 廊下の板間を濡らしてしまわないよう、渡された大きめの手ぬぐいでひとしきり体を拭ったあと、巫女の厚意に甘えたおれは風呂をもらうことにした。 脱衣所には、濡れた衣服を乾かすためのものだろう衣文掛けと、来客用のものなのか品のよい男物の肌着なんかが用意されていて、まったく至れり尽くせりだった。 まるで日焼けの皮みたいにぴたりと肌に張り付いていた下着をみんな脱いでしまって、用意されていた籠にそれらを放ると、おれは手ぬぐいを片手に浴室の戸をくぐった。 平生あの巫女はなにかにつけて不景気を訴えているようだが、据え付けられていた浴槽は総ひのき造りらしく、なんとも瀟洒なものだった。 風呂桶を満たす無色透明の炭酸水素塩泉は昨年の間欠泉騒動の折に彼女が勝ち取ったもののようで、ちょんとさし入れた指に効能豊かなアルカリ性のぬめりを感じた。 指先やつま先など体の末端から手桶でもって入念にかけ湯を行うと、先ほど雨に降られたことなどもうみんな忘れてしまったみたいに体は温まって、おれは思わずため息なんかを吐いていた。 いざ入浴という段になって、風呂桶にたたえられた湯をつま先で掻いてみると、これがかけ湯などよりもずっと温かで、巫女がおれのために新しく湯を張ってくれたのだと気付かされた。 彼女がおれを慕ってくれていることはもうずいぶん前から知っていたし、流れに任せて彼女と寝たこともあったが、一度だって彼女の好意に応えたことのなかったおれは、このときなんだか自分がどうしようもない卑怯者のように感ぜられて、もてなされた湯に身を沈めることがわずか憚られた。 しかしながら、このまま風呂を上がるのも酔狂に違いなかったので、すこしだけ逡巡をしたあとに、おれは湯船に体をゆっくりと沈めていった。 浴槽はじゅうぶん足を伸ばせるほどに大きく、体にまとわりつく湯の温かいことも相まって、おれはなんだか抱擁でもされているような心地だった。 あまりに具合がよいものだから、先ほど感じた巫女への罪悪感はおれの心にいっそう強く影を落として、どうにも参ってしまったおれは目を瞑り今後の身の振り方について考えることにした。 常日頃、おれは気立てのよいあの巫女に感心していたし、彼女が人里に生まれた娘だったなら、嫁のもらい手だって数知れずあっただろうと思う。 平生あまり愛想のよくないのがもったいないくらい見目形もおれ好みだったし、あれで初心なところのある彼女と寝るのは好きだった。 かんたんに言ってしまえば、おれは彼女を好いていないわけではなく、彼女とのつかずはなれずの現状をなにより心地よく思っていたのだった。 そのことを知る彼女の友人に、ちゃんとしてやる気はないのかと詰られたことは多々あったが、そのたびにおれは曖昧な答えでもって茶を濁してきた。 巫女の好意に応えてやろうという気概も、これでいてまったくなかったわけではないのだが、今度は妙な気恥ずかしさが邪魔をしたのだった。 おれとて、今まで惚れた腫れたの一つや二つ経験してこなかったわけではなかったが、ある時分をすぎてからは、そういった歯の浮くような色恋沙汰に対して逆走するのがなんだか恥ずべきことのように思えていたのだ。 もっと端的に言ってしまえば、おれは、彼女を愛しているにも関わらず、くだらない羞恥心に邪魔をされて彼女を素直に愛人とすることのできない、とんだ臆病者に違いなかった。 ナイフかなにかでもってさりげなく胸を開き、自らの想いをなにもかもそのままに見せてやれたらどんなに楽だろうかと考えて、やれやれとわざとらしくため息を吐いたおれは、二十数えて風呂を上がることにした。 巫女によって用意されていた下着と寝巻きは、案の定あつらえたみたいにおれの背格好にちょうどよい大きさだった。 これから彼女と顔を会わせるまでの猶予を噛み締めるように、おれはできるかぎりゆっくりとそれらに袖を通していった。 決して彼女から寄せられる好意を鬱陶しく感じているわけではなく、むしろおれの中にある彼女を愛しく思う気持ちは大きくなっていくばかりだったのだが、今度はそれがいけなかった。 平生の通り彼女と接するには、湯にあてられたのかいまのおれの頭はいささか茹ってしまっていて、いったいにどんな顔をして彼女に口を利けばよいのかすらわからなくなっていたのだ。 おれが風呂をもらっている間にあたりはもうすっかり暗くなってしまっていたらしく、廊下を奥にいった先にある襖から漏れ出ている灯が、そこに巫女がいるのだと教えていた。 板張りの廊下が湯上りのおれにはひんやりと冷たく、裸の足に触れた冷たさが意地悪くのぼってくるのを感じたが、おれはいま以上に歩みを速める気にはなれなかった。 ぺたりと一歩を進めるたびに、いままでのどこか生ぬるく、それでいてなにより心地よかった我々の関係が遠のいていくように感ぜられた。 わずか先にあるあの襖を開けて、あらためて彼女と顔を会わせしまえば、もうなにもかも変えずにはいられなくなるような気がしていたのだ。 やがて、巫女の調子はずれな鼻歌が奥の襖から聴こえるくらいに歩を進めたころ、おれはさっきの通り雨が止んでいるのに気付いた。 やらず雨でも降ってくれていたらどんなに気が楽になるだろうと考えたところで、自分のあまりに意気地のないのに呆れてしまったおれは、立ち止まってため息を一つ吐いたあと、口を真一文字に結んで光の差すほうへと歩いていった。 巫女は、昼間太陽をいっぱいに浴びた洗濯物を、やはり機嫌よさそうに鼻歌なんかを歌いながら一つ一つ畳んでいた。 おれが襖を開けて部屋へ入ってきたのに気付くと、四角く畳まれた格好の洗濯物から視線はくれずに、湯加減はよかったかと訊いた。 ああ、と返事をしてやると、彼女は再びどこかで聴いた覚えのある鼻歌を歌いだして、自分の下着なんかであっても気にせずに畳んでいった。 間の持たないことをなにより恐れていたおれは、彼女の隣に腰を下ろして、人心地でもついているように振舞うことにした。 「泊まっていきなさいね」 しばらくして一通りの洗濯物を畳み終えたらしい巫女が、やはり視線はくれず伏目がちに言ったので、おれもまた天井なんかを見つめながら、ああ、と答えた。 それから控えめに伸びをして足を崩した彼女は、傍らに置いてあった盆を引き寄せて、すっかり湯気の飛んでしまっているぬるい茶を啜っていた。 ふう、と吐いた彼女のため息を最後にして、思い思いにくつろいでいる格好の我々の間にわずか沈黙がのしかかった。 横目に巫女のほうを盗み見ると、そのとき初めて、いまのいままで彼女はこちらへ視線を向けていたのだとおれは気付いた。 「なあ」 巫女はなにも応えずに、そのよく磨かれたビー玉みたいな瞳でただこちらを見つめて、おれの言葉を待つばかりだった。 このときおれは、はじめから夢中だったのはおれのほうで、そんなこと、彼女にはとうの昔に伝わっていたのではないかと直感で思い至った。 「おまえが好きだよ」 それでも、知っているわ、だなんて上ずった声でおまえは言ったから、これはやはり伝えるべきことだったのだと思う。 おれは霊夢に恋してる。 お読みいただきありがとうございました。 先日投稿したはたてのSSを見返すとどうにもスカスカな印象を受けたので、今回はきっちりと書いてみました。 (前回本スレのほうではいろいろと迷惑をかけてしまいました。すみません。) いままではSSを読む側に徹していましたが、SSを書く側に回るのもなかなか面白いものですね。
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/489.html
霊夢19 12スレ目 130 「とりあえず、風邪薬と熱さまし渡しておくわね。風邪薬は毎食後、熱さましは熱が40度を越えたら使いなさい」 「ああ、わかった」 俺は永琳から薬を受け取った。 まぁ、具合が悪いのは俺じゃないんだが。 「しかし、今年の風邪はたちが悪いな」 「ええ、うちもついにウドンゲとてゐが二人とも倒れちゃって、姫と二人で朝から永遠亭みんなの看病で大忙しよ」 「……珍しい、あの姫様が」 そう、今この幻想郷では風邪が猛威を振るっているのだ。 なにしろ、人、妖怪問わず感染し、40度を超える高熱を発し数日寝込むくらい急速に悪化する。 しかも感染力が非常に高く発病に1日かからないので幻想郷全域に広まるのにさほど時間はかからなかった。 聞いた話によると輝夜、永琳以外に発病していないのは俺だけらしい。 ……誰だ幻想郷一の⑨っていったやつは…… 「さて、私はこれから紅魔館に行ってくるわね。あそこはもう誰も動くことができないみたいだから」 「うわ、咲夜やフランまでダウンしちゃったのか……」 「ふふ、それにしても彼女はいいわね。つきっきりで面倒みてくれる人がいて」 そう、この風邪は幻想郷全域に広まった。ここ博麗神社も例外ではなく…… 「まぁ、あなたがいれば大丈夫でしょうが、とにかく水分、栄養、休息、そして病人へのいたわりが大切よ。 最後のところは心配いらないでしょうけど」 「ああ、まかせておいてくれ」 「じゃ、なにかあったらすぐに知らせなさい。かけつけるから」 「わかった。ありがとう永琳」 「それじゃお大事に」 そう言い残し、彼女は次の診察に向かっていった。 「ふぅ、あの調子じゃ休む暇もないんだろうなぁ…… さておかゆでもつくるとしますか」 ――――青年料理中―――― 「ウルトラ上手に出来ましたっと」 俺は出来上がった特製おかゆを小さな土鍋に移し 彼女の寝ている部屋へと急ぐ。 「おーい、霊夢ー。起きてるかー? 飯食べられそうかー?」 「うー、あんまり食べたくないー」 襖を開けるとそこには布団に入って真っ赤な顔で唸っている少女がいた。 彼女がこの博麗神社の素敵な巫女、博麗霊夢である。 ってなんで俺説明口調なんだ? 「だめ。ちゃんと食べないと直らないぞ。ほら、起こしてやるからしっかり食べな」 「うん、わかった」 彼女の上半身を起こしておかゆの入った土鍋と蓮華を渡す。 うーん、しかし風邪をひいている姿の霊夢はどこか引かれるものがあるな。 潤んだ瞳、ほつれた髪、うっすら汗の浮かんだうなじ…… それに普段凛とした雰囲気のある彼女がなにか年相応の少女みたいになっているところなんかなんとも…… はっ、いかんいかん。病人相手になにを考えている、俺は。 考えを払拭させるべく俺はたわいもない世間話をもちかける。 「そういや、おかゆの材料買うために里まで行ってきたついでに香霖堂覘いてみたけど霖之助さんもまだ治ってないみたいだったよ」 フラフラしながら店に出てきたときにはさすがに驚いたが。 「へぇ、そうなんだ。ねぇ、外の世界でもこんな風邪ってよくあったりするの?」 「うーん、そうだなぁ……もし例をあげるならインフルエンザかな?でも今はワクチンであらかじめ予防したり タミフルっていうインフルエンザ用の薬も出てるし、ここまで一気に広まったりはしないかな」 余談だが俺はインフルエンザにかかってもあの薬は飲まん。まだ永琳の正体不明の薬を飲んだ方がマシだ。 いや、どっこいどっこいか? 「あ、あと帰りに自分の氷頭に乗っけてウンウン唸ってるチルノ見たときは笑っちまったよ」 「なにやってるのかしらね、あの妖精は……」 っと、食べ終わったみたいだし、あとは薬を飲ませて休ませないとな。 「ほれ、風邪薬と水。それ飲んだらまたゆっくり眠りな」 「うん、ありがと。……んっ、あのさ一つお願いがあるんだけど……」 「うん?いいぞ、俺ができる範囲ならな」 「えーとね、おでこに手をあててほしい」 「あいよ、了解」 そういい俺は霊夢の額に手を乗せる。やっぱり熱があるせいだろう。手のひらがあっという間に熱くなる。 「えへへー、冷たくていいきもち」 むー、かわいいなぁ。いつもはそっけないし、素直じゃないことも多いし、いっそこのままずっと風邪でいてほしいと思う俺は不純ですか? 「もういいか?じゃ食器洗ってくるからいいこで寝てるんだぞ」 「いわれなくてもわかってるわよ。おやすみ」 さて、洗いものが終わったら掃除を始めようか。 夜中になって霊夢の症状は悪化した。 「はぁ、はぁ……」 「まずいな、41度7分もある」 呼吸をするだけでも苦しそうで意識も朦朧としている姿はとても痛々しくて見ていられない。 こんなとき何の力にもなれない自分がとても妬ましい。 「あ、そうだ。永琳から貰った薬に解熱剤があったな」 そうそう、たしかこの袋の中に…… そして袋の中から出てきた薬は―― ――――どう見ても座薬です。本当にありがとうございました。 「……うんっ!!わかっていたさ!!こうなる事ぐらい!!わかっていたけどさぁ!!」 たしかに俺と霊夢はもうタダならぬ関係ですよ? 体のどこに黒子があるかも全て記憶してますよ? でもこれはないでしょう!?飲み薬とかあるはずだよねぇ!? はっ!?こうやって俺が取り乱すことさえ計算済みっ!?えーりんおそるべしっ!! 「うううぅ……」 「はっ――」 霊夢の苦しげなうめき声で俺の頭は急激に冷えていく。 そうだ、俺がバカなこと考えているときも霊夢は苦しんでいるんだ。 なにもやましいことじゃない。心を落ち着かせて薬を使わなくては。 「――心頭滅却、明鏡止水、体は剣でできている」 よし、覚悟完了。 俺は布団をどかし、霊夢の寝間着の裾を捲り上げる。 ――ああ、霊夢の足シミ一つなくて本当に綺麗だぁ…… ってまた変な妄想してるっ!?ダメだダメだ。 気を取り直し、下着に手をかけ…… 「ねぇねぇ、霊夢が風邪で倒れたって聞いて様子見にきたんだけ、ど……」 なんで、いつもジャストなタイミングで出てくるんですか?ゆかりサン?…… 「あらあら、お邪魔だったみたいねぇ?それじゃごゆっくり~」 「まってぇーーーー!このまま放置していかないでぇーーーー!!」 その後どうしたかっていうと永琳を呼んできてもらい男の俺には出来ないこと(着替えや体の汗拭きなど)をやってもらい 今は三人で一息ついているところだ。 ちなみになぜ彼女が平気なのかというと病人と健康の境界をいじったからだそうだ。 ……もはやなにもいうまい。 「にしてもやることがなくてそわそわしているところなんかすごくかわいかったわぁ。 うちまで攫っていっていじめたおしたいくらい」 「あら、奇遇ね。私も実験にも愛玩用にも使えるこんなかわいいモルモット、霊夢に内緒で持って帰ろうかと思ったわ」 この二人笑ってはいるけど目がマジです。 「やぁねぇうそよ、うそ。本気にしないの」 「そうよ、人の男に手を出すほど飢えてないわよ」 ……幻想郷には嘘つきしかいないのだろうか? 「さてそれじゃ私はおいとまするけどあなたも早めに休みなさい。看病は意外に疲れるのよ」 「ああ、じゃ最後に霊夢の顔みてから休むって……なにさ?」 「やぁねぇ、ここまで見せつけてくれるなんて。甘すぎて砂糖吐きそうよ」 「ええ、私たちのこといきおくれの年増って見てるに違いないわ。イケない薬注入してやろうかしら?」 「……アンタら、とっとと帰ってくれ」 「はいはい、それじゃまた様子見にくるわね」 「本当に早めに休みなさいよ」 幻想郷の少女臭コンビは最後まで騒々しく帰っていった。 はぁ、なんかどっと疲れた。霊夢の顔見たらすぐに布団に入ろう……。 「いよぅ、調子はどうだい?」 「うん、熱さましが効いてるからそんなに辛くないかな」 たしかにさっきよりかは少しは顔色もいいみたいだ。 「ねぇ、寝る前に最後にお願いしていい?」 「なに?のど渇いた?水?」 「あのね……キス、して?」 布団から半分顔を出して潤んだ瞳で上目遣いをしている霊夢はとてつもなく可愛い。 ヤラれた。どうしてこう不意打ちがうまいんだろう?頭の中が沸騰状態でグラングランだ。 「もしかして、イヤ……だった……?」 俺の沈黙を否定と受け取ったみたいだ。 「いやいや!!そんなことない!それじゃいくぞ……」 「うん―――んっ」 ただ唇が触れ合うだけの軽いキス。 「……これでいいか?」 「だめ……たりない……もっと強いのをちょうだい……あっ」 さっきよりも強く、求めるようなキス。 「んぅ……んっ…ちゅっ……ふ……ぁっ……」 俺と霊夢の離した唇の間に銀糸が渡る。 「…………」 「……ありがと。元気出てきたよ。すぐにでも元気になりそう」 「それはよかった」 「うん。疲れたでしょう?もう休んで。○○が倒れたら私……イヤだよ……」 「ああ、すぐに眠るよ。それじゃもう行くよ」 「おやすみなさい」 目を閉じた霊夢はすぐに眠ってしまった。 おやすみ、いい夢を…… そして翌日みごとに風邪をひいた⑨がここにいるのでした。 「うー、頭痛いー気持ち悪いー目が回るー」 「もぅ、文句言ってないで静かに寝ていなさい」 昨日とはうってかわって立場が逆になってしまった。 って何で布団捲り上げて寝間着の裾持ってるんですか? 「ん~?さっき紫に聞いたんだけど私に座薬使おうとしたんですって?」 「あっあれは不可抗力でっ」 「うん、わかってるけど女の子にそんなことしようとするのはちょっと許せないかな~って」 うひゃあ、笑っているのにとんでもなく怖いー! 「だからってこんなことしなくてもっ、マジやーめーてー」 「ほら動かないの」 「ちょっ、おまっ、アッ――!」 「……本当に入れられるかと思った」 「冗談だって、私だって変な気があったわけじゃないってわかってるし……」 「うー、なんか悪化しそう……」 「じゃ、風邪がすぐ治るようにいいものあげるから目閉じなさい」 「うぃ」 なんだろう?って考えてたら唇にやわらかいものが。 これって……やっぱりアレ? 目を顔を赤らめた霊夢が見えた。 「これが一番の特効薬でしょ?早く風邪治してね」 そういって霊夢は部屋から出て行った。 「……更に熱が出そうだ」 さて元気の素は貰ったんだし、さっさと風邪を治すとしますか。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 138修正版 「それじゃあ行って来るな」 「……行ってらっしゃい、はやく帰ってきてね」 「そんな寂しそうな顔をするなよ、すぐに帰ってくるから、な?」 寂しそうに俯く霊夢に後ろ髪を引かれながらも俺は出掛ける準備をした 「……ねえ、○○」 「ん?なんd、んぅ!?」 ピチュ クチュリ 霊夢に呼び止れて振り向いた瞬間キスをされた 不意打ち状態だったので何の抵抗も無く俺は霊夢の舌を受け入れた 「んっ!ぁ…ふ……あっ」 クチュクチュ 霊夢のやわらかい唇の感触と甘い吐息を味わうだけで 俺の脳髄に快楽の電流が走り霊夢しか目に移らなくなる このまま快楽に流されそうになるのを必死に押し止めて霊夢を引き剥がす 「はぁ、はぁ…これで満足か?霊夢」 「はぁ…ふぁ…はぁっ……うん、行ってらっしゃい」 「ああ、行ってくるよ」 霊夢は俺と離れようとするとすごく嫌がる そして先ほどのようにキスをせがんで俺を放さないようにする それが例え里に買い物をしに行くわずかな時間でもだ 「分かってるんだけどな……」 どうも俺は霊夢のことになると甘くなってしまう それが依存的なものでお互いにとって悪いことだと理解はしてるr 「理解をしているなら何故貴方は霊夢から離れようとしないの?」 ゾクッ!! 「!!!???」 突然気配の無い虚空から声が聞こえたと思ったら、周囲が目玉の付いた奇妙な空間に変わった それと同時に圧倒的な妖気がその空間中に充満したそして俺はその妖気の持ち主を知っている 「紫か!!」 俺が叫ぶと空間に裂け目ができそこから麗しい妙齢の女性が出てきた 「御機嫌よう○○」 彼女こそ他の妖怪とは違う一人一種の妖怪にして 幻想郷の頂点に君臨する境界を操る妖怪八雲紫 「……一体何の様だ」 「何の用?分かってるくせに、私が貴方と会って話すことなんて霊夢との事以外になにかあるの?」 やはりか、紫は俺に会う度に霊夢から離れろと言い続けていたからな 「何度も言うようだけど俺は霊夢から離れるつもりは無い」 「ええ、知ってるわよ、だから今までどおり忠告じゃなくて」 「ん?、っが!!??」 ギリィッ!! 「実力行使で行くことにしたわ」 「がっぁ!?」 ギリギリ!! 突然首を掴まれ軽々と宙に吊り上げられた 見た目は女でもそこは妖怪、人間一人持ち上げるのなんて造作も無いだろう 「でも私は優しいから選択肢をあげる 1:このまま死ぬか 2:私が記憶の境界を弄って霊夢の記憶を忘れる 3:霊夢から離れる」 どれでもいいけどわざわざ私を動かしたのだから1がいいわね」 「ふざ、けるな…ふざけるな!!!」 「あら、どれも選ばないつもり?折角選択肢を用意してあげたのに」 つまんないと言いたげな顔で俺を吊り上げたまま見上げてくる紫 その顔を見ていると俺の胸の中に言いようのない怒りが沸々と沸いて来た 「当たり前だ!!!俺が選ぶ選択肢は1,2,3のどれでもない 4:俺はこの窮地を脱し霊夢と添い遂げる 以外は考えられないんだよ!!!」 「そう、そんなに死にたいわけね」 ブォン!! ドサッ!! 「くっ!げほっげほっ!!…はぁはぁはぁ」 「元気がいいのは結構なことだけど、貴方程度じゃ、私に勝つどころか掠り傷すらつけられないわよ」 そんなの最初から分かてる、何も力の無い俺が紫と戦ったところで勝ち目なんか万に一つどころか億に一つもないだろう 今だってあのまま首を絞めていたら俺の命の火は消えていた 周囲の妖気も一向に減るどころかますます増え、俺の場所だけ重力が増したかのように重圧をかける 「じゃあそろそろ眠くなってきたし幕引きといこうかしら、貴方の死をもって」 「幕引きにはまだ早いぜ!!」 威勢よく吼えたものの正直八方塞だ それでも例え勝機が無かろうとも俺は負けるわけにはいかない 「誓ったんだよ俺は、霊夢を守るって! 霊夢が弱くなったのならその分俺が強くなって霊夢を支えてやるんだってな!!」 どこまでできるか分からないがこのまま何もせず、むざむざと殺されるよりかはましだ 「……そう、これだけ力の差があっても貴方は諦めないのね………… でも残念だけど今の貴方程度の力じゃ、霊夢を守ることなんて夢のまた夢 そして、夢はいつか覚めるものよ」 「だったら夢を現実にするまでだ!!!」 一直線に紫のほうへ疾走する、しかし 「でも残念、貴方は夢を見ることも現実に戻ることもないわ」 紫の手が俺の視界を奪い、程なく俺の意識は闇に沈んだ 「 ○! き !! い! !!」 声、声が聞こえる何を言っているかわからないけど俺を呼ぶ女の子の声が ……そうだこの声は霊夢の声だ、例え地獄に堕ちようとも絶対に聞き間違えることは無い 「 ○!起き !!お い!目を して!!」 霊夢の声が聞こえるごとに俺の意識が蘇っていく 「っ…霊、夢?」 「○○!!起きたのね!!」 「あ、ああ俺は一体」 「紫が連れてきたのよ、森で倒れてたって…」 「紫が?」 俺を殺そうとしたくせに殺さずにあまつさえ霊夢の所に運んできた? 何を考えてるんだあのスキマ妖怪 「本当に、本当に何も無くてよかった、紫も『直ぐに目を覚ますから安心しなさい』って言ってたけど でも目を開けない○○を見てると不安で、もしかしてもう二度と私に笑いかけてくれないんじゃないかと思うと怖くて それで、それで……」 ギュゥ 「大丈夫、俺は生きてるしちゃんと霊夢の側にいるから」 両手を抱きしめ震える霊夢を俺は静かに、力強く抱きしめた そしてそこから霊夢の体の振るえを感じ、どれだけ霊夢が不安だったかが分かった 「ごめんな、霊夢」 「うぅ、良かった、○○が無事でよかった…うわぁーーーーーん!!」 大声で泣く霊夢に俺はただ無言で抱きしめるしかなかった 「ん…すぅすぅ」 俺のことを心配した心労と大泣きした所為か今はぐっすりと眠っている おかげで何故紫が俺を生かしたかゆっくりと考えられる あの時紫は確かに俺を殺す気でいた、それがどうして俺を殺さなかったのか 誰かが助けに入った? それは無い、スキマ空間に干渉できる能力を持った奴は俺の記憶じゃいないし(いたとしても霊夢ぐらいだ 霊夢が言ったことが確かなら紫自身が俺を神社まで連れてきたんだ 「まあいいさ、こうして霊夢と一緒にいられるんだから」 紫に何があって心変わりしたかは分からないが生かしてくれたというのならそのまま生きてやる 「強く…ならなくちゃな」 今回みたいに霊夢を心配させない為に、俺はもっともっと強くならなくちゃいけない 力だけじゃない、心身ともに、霊夢の心と体を守れるぐらいに 「んぅ、どうしたの?○○」 「いや、なんでもないさ、もう少し寝てろ」 「側に居てくれる?」 「ああ、霊夢が目を覚ますまで側に居るよ」 再び寝る霊夢の頭を撫でながら想う 願わくば、この瞬間を永遠に 「紫様、アレでよろしかったんですか?」 「何が?」 「○○のことです、何故生かしておいたのですか? わざわざ殺しにいったというのに」 藍の言うことも尤もね、確かに私はあの時○○を殺す気でいた でも…… 「見たでしょ?あの霊夢の様子を、○○を失ったらあの子、壊れるわよ」 幻想郷を守るために霊夢から○○を引き離そうとしたのにその結果霊夢が壊れてしまうのでは意味が無い それなら○○を生かしておくほうがまだいい それにアレだけ力の差を見せて尚諦めない心、に揺るがない信念があるなら○○はまだまだ強くなる 「ふぅ、取らぬ狸の皮算用ね……眠たくなったし帰りましょか」 「寝酒はどうなさいますか?」 「帰ったらそのまま寝たいから布団の用意だけお願い」 「分かりました、では先に帰っていますね」 「よろしくねー …………頑張りなさい○○、貴方の夢は現実となった だけどその現実はこれからも続いていくんだから」 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ792 少し遅めの昼食をとり食後のまったりとした空気のなか俺は炬燵にあたりながら縁側を見つめる。 冬の季節としては珍しく暖かい日の光が差し込み、雪の積もった庭をやわらかく照らす。 ……近頃霊夢とほとんど話していない。 里の方で異様な数の妖怪が出て討伐の仕事で大忙しだそうだ。 夜遅く帰ってきて、朝早く出かけていく。 顔を合わせることはまれで、会話をすることなど不可能に近い。 ……俺が力になれることはない。 未だにまともな弾幕は張れず、ザコ妖怪にすら手こずる俺が何の手助けになろうか?むしろ霊夢の足を引っ張るだけだ。 そういえば、俺がここにくるまでは霊夢も今の俺のような状況が多かったんだろうなぁ。 やることがなくただ時間が過ぎるのを待つだけの退屈な日常…… そんな日々の繰り返しを続けていた霊夢の気持ちはどうだったのだろうか? さまざまなもやもやを抱えたまま、意識が闇に落ちていく中、ただ一言だけ呟いた…… ――――さみしいよ、霊夢…… 「ふぅ、疲れた」 里の異変を片付けて神社に帰ってきて私は炬燵に突っ伏して眠っている○○を見つけた。 昼食だったのだろう。頭の横につゆの入ったどんぶりがあった。 「もう、ちゃんと食べたものくらい片付けてから眠りなさいよ」 どんぶりを片付けようと手を伸ばして―― ○○の頬に一筋の涙の跡があることに気づいた。 伸ばした手をひっこめ、○○の隣に入り込み彼がここに来てからのことを思い出す。 最初はこの幻想郷に迷い込んだただの迷子だと思った。 すぐに元の世界に帰ると思っていた。 でもそうじゃなかった。 彼はあっという間にこの世界に馴染んだ。まるで元からこの世界で生まれたかのように。 彼は誰とでも打ち解けて、みんなも彼を受け入れた。 宴会では萃香と魔理沙の二人に飲み比べを挑んで、ぶっ倒れたことがあった。 紅魔館の吸血鬼姉妹に振り回されていることもあった。永遠亭で談笑をしていたこともあった。 まるで昔からの友人のようだと彼を知る人々はそう言った。本当に彼は変わった人間だった。 そして一番変わったのはこの私だ。 今までずっと一人で暮らすのに何の不自由もなかったし、それが当たり前だった。 それが人ひとり増えることでここまで変わってしまうことには驚いた。 言い合いをした。すれ違いもあった。喧嘩も仲直りも数え切れないほどした。 ただいまといっておかえりと返ってくることがうれしかった。家に明かりが灯っていることがうれしかった。 二人で食べる食事がこんなにおいしいとは思わなかった。一つの布団でたわいもないことを話すのが楽しかった。 嬉しいこと、悲しいこと全て彼と共に作った。 いつの間にか、心の一番たいせつな場所に彼がいた―― 「………………ん、うぅ」 すこし身じろぎをして俺は目を覚ました。 あの後そのまま眠ってしまったらしい。 妙に肩が重いと思っていたら霊夢が寄りかかって眠っていた。 「…………ふぁぁっ」 俺が動いたせいだろう、霊夢もすぐに目を覚ました。 「おかえり」 「うん、ただいま」 挨拶が済んだ途端に霊夢が俺のひざに向かい合わせに座ってきた。 突然のことに戸惑っていると霊夢が先に切り出してきた。 「……ごめんね」 「いや、急に謝れられても反応に困るんだけど」 「最近ほとんど顔も合わせられなかったし、話すこともできなかったし」 「いや、別に気にしてないし。霊夢も大変なことしてるのわかってたから」 俺は精いっぱいの強がりを言う。 「うそつき」 「え?」 「頬に涙の跡ついてるよ」 急いで頬を拭う。 「もう消えてるよ。それに私しか見ていないんだから気にしなくていいのに」 「でもかっこわるいし、男として恥ずかしいし」 「ふふ、そういうところかわいくて好きだよ」 うれしさと恥ずかしさで顔が熱くなってくる。 「ほんとにごめんね。私自分のことで手いっぱいになっちゃって○○のことほったらかしにしちゃって」 「霊夢……」 ああ、本当に俺はこの少女がいとおしくてたまらない。 この小さな体で有象無象の妖怪を相手にしていると思うとどうしようもない切なさが溢れてくる。 言葉では言い表せられず、俺は行動で示すことにした。 「――ちゅっ」 「んむっ……くちゅ………ちゅっ」 一瞬、または永劫のようなキス。 「ふぁ……ねぇ、今日はずっと話していようよ」 「あぁ、いいけど特に面白い話はないよ」 「それでもいいよ。私は○○の話が聞きたいんだから」 「じゃあ、ずっと話していようか」 「うん、夜明けがくるまで、ううん夜が明けても○○のそばにいたいよ」 俺は力を込めたら折れてしまいそうな霊夢の体を抱きしめ、何を話そうか考えていた―― 「霊夢、好きだよ」 「私も、○○大好きだよ」 「ああっ、もうどうしてそこで押し倒したりしないのよっ!全然進展しなくてやきもきするわっ!!あのヘタレッ!!」 「紫さま……あまり覗き見をするのはどうかと……あとあまりそんな言い方はしないほうが…………」 「はいはい、わかったわよ。もうやめるから藍もあっちいきなさい」 藍をおいやってもう一度スキマの向こうで抱き合っている二人を見つめて 「ふふ、あのふたりほんとお似合いね。まるでお互いの心の帰る場所みたい」 そう呟いてパチンとスキマを閉じた。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 418 うpろだ824 霊夢「おかえりなさい」 ○○「ただいま、これおみやげのお団子」 霊夢「あら珍しいわね、おみやげなんか買ってくるなんて何かのご機嫌取りかしら?」 ○○「食べたかったから買ったんだよ、あー寒い寒い」 霊夢「ふーん」 ○○「やっぱりコタツは暖かいなー」 霊夢「暖炉の方が暖かいんじゃない?」 ○○「いやー俺はコタツがいいよ、ってか何で暖炉?」 霊夢「別に」 ・・・なんか機嫌悪いなコイツ。 ○○「お茶入れてくる」 霊夢「いらないわ」 ○○「ん?」 霊夢「私の分はいらないって言ったの」 ○○「・・・なぁ、何か怒ってるのか?」 霊夢「別に」 ○○「じゃあ、なんでそんなに機嫌悪いんだよ」 霊夢「知らないわよ、私はいつも通りよ。気に入らないならアリスのところにでも行けば?」 ○○「・・・なんでそこでアリスが出るんだよ」 霊夢「知らない、さっさとアリスの家に転がり込んでシチューでもご馳走になればいいじゃない」 ○○「おいおい、落ち着けよ、まずシチューはどこから出たんだよ」 霊夢「里で仲良さそうに話してたでしょ?一緒に餡蜜なんか食べちゃってさ。 アリスも珍しく楽しそうな顔してたじゃない。あの子人見知りするから、相当仲いいのね? 食べたくて買ったとか言いながらお団子に手をつけないのをみると、あの後おかわりでもしたのかしら?」 ○○「・・・見てたのか?」 霊夢「薄着してったのが心配で、あんたの上着持って追っかけていったのよ。余計な事しなきゃよかったわ」 ○○「あのな、霊夢、アリスは」 霊夢「言い訳なんかやめてよ!珍しく買出しをかって出たと思ったら、浮気してただなんて!最低よ!!」 ガタッ おそらく、これ以上言葉は通じまい。 そう悟った俺は立ち上がり、自分の部屋に向かった。 離れていても、霊夢が泣いているのが聞こえた。 俺は目的のものを取り出すと、足早に彼女の元へ戻っていき・・・ 霊夢「・・・放っといてよ」 ○○「ほれ」 霊夢「何・・・?」 ○○「ほんとは完成してから見せたかったんだけどな」 霊夢「何よ、これ」 ○○「人形だよ、細かい飾り付けがまだできてないけど。何に見える?」 霊夢は作りかけの人形をゆっくり回して見た。 赤白の布一枚を羽織っただけの人形が、小さな手の中でくるくると踊る。 霊夢「・・・もしかしてこれ、私?」 ○○「お、よく分かったな。まだ服も未完成だってのに」 霊夢「こんなの、どこに隠してたのよ」 ○○「秘密だ、それよりアリスとの事だが」 霊夢「・・・あー・・・」 ようやく自分の勘違いに気づいたらしく、霊夢は俯いてしまった。 恥ずかしかったのか、うなじのあたりまで真っ赤に染めてしまっている。ちょっと可愛い。 ○○「これの次の手順がどうにも思い出せなくてな、 今日たまたま会ったんで教えてもらおうとしたら『同じ事を何回も聞くな』と高めの授業料を要求されてしまった」 霊夢「・・・もう、最初にそう言ってよ」 ○○「知られたくなかったんだよ、人形作りなんて俺のガラじゃないじゃないか」 霊夢「でも、どうしてそんな物作って・・・」 言いかけて霊夢は固まった。こいつめ、やっと思い出したか。 ○○「俺が霊夢に助けられて、ここに世話になり始めてもうすぐ1年経つからさ」 霊夢「・・・あー、もう1年経つんだ・・・」 ○○「早いもんだよな。それでお礼じゃないけど、何かプレゼントしたかったんだよ」 霊夢「・・・いいのに」 ○○「あー?」 霊夢「お礼なんかなくたって、いつも○○が傍にいてくれるだけで十分幸せよ」 俺はたまらなくなり、押しのけるようにして霊夢の隣に入り込んで・・・ ○○「お礼『なんか』とか言うのはこの口か、えー?」 霊夢「い、いひゃい、はなせー」 ○○「この寒い中買出しに出てやったというのに、帰宅一番で浮気しただのなんだのとー」 霊夢「いひゃいってう"ぁー、あぅっ」 ○○「信用してないのか、俺のこと」 霊夢「信用・・・してるけど、さ・・・」 ○○「不安?」 霊夢「・・・うん」 ○○「・・・まぁ、それじゃしょうがない、のかな」 霊夢「・・・ごめん」 普段の霊夢からは想像もつかないくらい、見事にしおれてしまった。 これはこれで可愛いが、何とかしなければ。 ・・・と思う気持ちよりも、このしおらしい霊夢をもっと弄り倒してやりたいという ドS心の方が勝るのであった。 霊夢「んむっ!?」 ○○「ん~~」 霊夢「んーーー!!」 ○○「しょうがないから、俺がどのくらい霊夢のことを愛してるか今一度思い知らせてやろう」 霊夢「ちょ、ちょっと、待っtんむ~~~~!!」 突然唇を奪われ、ジタバタともがく霊夢。 押えつけて苛めてやりたい衝動に駆られるが、今日の俺は自重する。 霊夢「ぷはっ!な、何よいきなり!!」 ○○「思い知ったか」 霊夢「はぁ・・・十分思い知ったわよ」 ○○「なら良し」 霊夢「・・・むぅ」 俺は頬を膨らませる霊夢の頭をポンポンと撫でてやった。 ○○「ごめんな、霊夢」 霊夢「・・・何でそっちが謝るのよ」 ○○「不安だったんだろ?」 霊夢「そりゃ、そうだけど」 ○○「不安にさせてごめんなさい」 霊夢「・・・私の方こそ、ごめん」 ○○「うん、許す」 それを聞いて安心したのか、霊夢は俺の肩にぽんと頭を乗せてきた。 ○○「あ、あと」 霊夢「うん?」 ○○「これは完成するまでお見せしませんので」 霊夢「・・・うん、楽しみにしてるわ。でも・・・」 ○○「ん?でも・・・何だ?」 霊夢「出会ってから1周年って、明日よ?」 ○○「・・・あれ・・・来週じゃ、なかった・・・っけ・・・?」 霊夢「明日」 ○○「・・・・・・・・・そ、そろそろ夕飯の支度を・・・」 霊夢「あれあれ、もしかして来週だと思ってたのかしら? まさか大切な記念日を忘れてたり間違えてたりなんてことはないわよねー?」 ○○「あ、あはははははは」 霊夢「あはははははは」 ぶたれた。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 430 うpろだ826 幻想郷の東の端に存在する博麗神社。階段を上りきると境内を掃除している霊夢の姿が見えた。 「こんにちわ。霊夢」 「あら、○○。久しぶりね。今日はなんの用?」 「うん、遊びに来たんだけど、ついでに参拝をしていこうと思って」 「珍しいわね。槍でもふるのかしら?まぁいいわ。素敵な賽銭箱はそこよ」 「わかってます」 さて、僕は賽銭箱を前にして財布を取り出すと―― 「ちょちょちょっと待って!?なにそのパンパンに膨らんだお財布!?」 「うん、話すとちょっと長いんだけど……」 ――青年説明中―― 「ふんふん、かいつまむとその人は、初めて神社で参拝をしようとしていたわけだけど 連れの方が急用でこれなくなったのでたまたま通りかかった○○に自分の代わりに参拝してきてほしいってこの財布を渡してきたってわけね。 盗まれる事とか考えなかったのかしら?」 「うーん。たぶん大丈夫だと思うよ。あの人も“もしネコババなどお考えならば、後日殺すつもりで参ります”って言われたし それに終始笑顔なのにずっと背筋がぞくぞくしてたもん。まるで幽香さんと話しているみたいだったよ」 でも、なんであの人エレベーターガールの格好してたんだろう? 「それじゃ奉納させていただきます」 そして僕は財布の口を開けひっくりかえして―― ――拝符『賽銭弾幕』 ドバァッ!! ズガガガガッ!! 「「うひゃぁ!!」」 瀑布のごとく流れ出る小銭に驚いた。 魔理沙のマスタースパークもかくやというこの硬貨の流れは1分経った後も衰える気配がない。 賽銭箱を揺るがし続けているこの財布、もしかしてスペルカードででもできているんだろうか? マズい、中の小銭よりこの財布の方が欲しくなってきたぞ。 「――きゅう」 って、今までみたことない賽銭の量に霊夢が気絶してしまった。 「わあぁ!?霊夢しっかりー!?」 「――ううん……」 「あ、やっと起きた」 あの後気絶してしまった霊夢を抱き上げ縁側に寝かせて気がつくまででのんびりしていた。 「ええと、たしかすごい量のお賽銭に驚いて気絶したんだっけ…… あれ夢じゃないよね?」 「うん。嘘だと思うなら賽銭箱みてきなよ。小銭で溢れているから」 あのあと賽銭箱をほぼ満杯にしてようやくあの財布は動きを止めた。 「これで博麗神社の信仰も大幅アップだね」 「どうかしらねぇ。ご利益は奉納した金額に必ずしも比例するわけじゃないし ○○一人がいれたものだからあんまり変わらないんじゃないかしら」 「やっぱりそうか……」 「でもあれだけのお賽銭なんだから○○の願いくらいは叶うんじゃない? ねぇ、なにを願ったの?」 「うん、霊夢と相思相愛になれますようにって」 そう言ったら霊夢は真っ赤になって顔を隠してしまった。 「……その願い叶わないわよ……もう叶っている願いはどんな神様でも叶える事はできないもの」 「あっ、そうか。じゃあずっと霊夢と一緒にいられるようにって願うべきだったか」 「もう……ばか……。そんなこと願わなくてもずっとそばにいるわよ。これからもね」 頬を染めて微笑んだ霊夢はとてつもなく可愛かった。 「じゃ、これからも末永くよろしくお願いします」 「はいはい。それでどうする?もう帰る?」 「そうだなぁ。そろそろ日も暮れるし、泊まってもいいかな?」 「うん、わかった。夕飯の支度するから手伝って」 「了解」 僕は夕飯の手伝いをするため霊夢の後に続いた。 ───────────────────────────────────────────────────────────
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霊夢14 初めてのチュウ 霊夢受編(10スレ目 87) 「こ、ここから落とされたくなかったら……私とキスしなさいっ!」 「は?」 青年の目の前には、紅と白を基調とした衣装に身を纏った少女が一人。 今、彼はあまりに理不尽すぎる脅迫を受けていた。 「ど、どうなの……?」 少女が やや どもりつつ、頬を紅く染めながら、目を吊りあげて強気に問う。 一方、青年はどう足掻こうとも言うことを聞かざるを得なかった。 何故ならば―――― 「……どう…って」 ――――青年と少女がいるそこは地上から100mも離れた空中であり、青年は飛べなかったから。 青年は今、空を飛ぶ不思議な巫女――――博麗 霊夢に手を引かれ、空中に連れて来てもらっているのだ。 (いきなり空中に連れ出されたと思ったら。ていうか、こんな脅迫しなくてもいいのになぁ……) 青年は霊夢の強引さに少々呆れながらも、その不器用さに心中で苦笑してしまう。 こんなところで可愛らしい脅迫をするのも、素直では無い不器用な愛情表現なのだろう。 そんな所も含め、青年は霊夢のことを―――― 「は、早く答えを出さないと――――」 霊夢がそう言うや否や、青年の手を掴んでいる 白い手に込められた力がわずかに緩む。 「……――――!?」 青年の表情が一瞬だけ凍りつき、背筋をぞっとしたものが包む。 次の瞬間、青年の声にならない叫びが周囲を包んだ。 必死で落とされまいと、青年は霊夢の手を強く握り返す。 それも仕方のないことだろう。 空を飛ぶ能力のない青年は、ここから落とされれば確実に死は免れないからだ。 「ど、どうなのよぉ……!?」 対し脅迫している霊夢のほうも既に一杯一杯だ。 なかなか答えようとしない青年に、その顔は先程よりも紅く染まっており、目の端には涙の塊が。 今ここで青年が断ろうものなら――――彼女は確実に、完全に泣き出してしまうだろう。 そして、傷心の彼女が青年を気遣う心の余地がなければ……彼は確実に落とされる。 何にしても、早く答えなければ霊夢に落とされると悟った瞬間、青年は半狂乱になりながら叫んだ。 「わ、わかった! する! するから手を離すな霊夢! そのまんま無事に下してくれお願いします!!」 「それでよし」 先程の泣き顔はどこへやら、酷く安堵した笑顔を顔に浮かべて、霊夢は青年の手を強く握り返した。 霊夢は普段から多少傍若無人なところはある―――そんな所も愛おしい―――とは青年は考えていた。 (や、ヤベェ……今のは目がややマジだった……) しかし、今は―――― いつか見た鬼や悪魔以上に、楽園に住む巫女が青年には恐ろしい存在に見えたような気がしていた。 ただ、そんなことをされてもなお、青年が抱く彼女への想いは微塵も揺らぎはしなかったが。 ほどなくして、博麗神社の縁側に降り立つ。 霊夢は期待に胸を高鳴らせており、一方 青年は命があることを心の底から神に感謝していた。 「ふー……」 青年は一息、大きく息をつくと―――― 「じゃあ、どうぞ……」 そう言って、霊夢の真向いに立った。 「え?」 「いや、別にキスは男からじゃなくてもいいだろう?」 男としてそれはどうか ということは置いておいて、青年は真顔で正論を述べる。 「え…ええ……」 相槌を打ちながらも、霊夢の心中は複雑であった。 (……してほしかったのに) 本当は、青年に優しく唇を奪って欲しかったのだが これ以上臍を曲げられても仕方ない、とも霊夢は考える。 そして、霊夢は青年にそろそろと歩み寄った。 歩み寄るたびに、霊夢の頬の紅潮はどんどん濃度を増し、彼女の胸の高鳴りは青年との距離が縮まるとともに その速度を速めてゆく。 「じゃあ、するね……?」 二人の距離はが約20cm程度の地点で、霊夢は青年を上目に見上げながらそう言った。 しかし、彼女の前に最初の難関が立ちはだかる。 それは―――― (と、届かない……!) ――――背の高さだ。 片や、十代半ばの少女。 片や、背の高いほうでは無いが、それでもそれなりに身長はある青年。 霊夢が爪先立ちをしても、彼女の唇は青年の顎までしか届かない。 霊夢がどう足掻いても、背の高さだけは今すぐにどうにかできるものでは無い。 だから、腰をかがめて欲しい、と霊夢は青年に頼もうとしたが―――― 「……っ!」 その前に、顔をニヤニヤ歪めている青年が霊夢の目に入る。 霊夢は青年のその表情に見覚えがあった。 それは、青年が霊夢に対し何か意地悪をする時の顔だったから。 さすがに これ以上青年の思惑どおりに嵌るのは癪だと、霊夢は考える。 「……そのままでもいいわよ」 「え?」 ふわっ…… 何の前触れもなく、霊夢の両脚が重力を無視して大地から離れる。 「……こうすれば、いいんだもの」 その場にふわふわ浮いた霊夢は、ようやく○○と文字通り肩を並べる高さになった。 けれども、霊夢は知らない。それすらも、青年の計算の内だということを。 「す、するわよ…」 「どうぞ」 ちゅっ…… 霊夢は目を閉じ、その少女らしい瑞々しい唇が、青年の唇に軽く触れる。 その途端、霊夢の顔がこれ以上ないほどに赤く染まるとともに、彼女はそのまま動かなくなった。 (やっぱり、キスするの初めてで何やっていいのかわかんないみたいだな……) 青年はそんな彼女を薄目を開けて見遣りつつ――――少し強くキスしてみるか――――と、心の中でほくそ笑んだ。 青年は、霊夢の上唇を自身の唇で軽く咥えながら優しく吸い上げる。 そして、吸い上げながら彼女の上唇を甘噛みした。 「んっ……!」 急に能動的に唇を求めだす青年にやや驚きつつも、霊夢も負けじと必死で応戦する しかし、経験がないために 霊夢の唇の動きはどこかぎこちない。 「ふ……ぁっ……」 上唇を優しく唇で咥えられつつ チロチロと舌先で上唇に舌を這わされた瞬間、霊夢の頭に電流が流れた。 とたんに――――すとん、と両脚が地面についてしまった。 二人の唇の間に銀色のアーチができて、間もなく消えた。 「……っ!」 もう一度、霊夢は宙に浮かびあがり、青年と唇を重ねる。 しかし―――― (ち、力が……) 青年と唇を重ねるまではいいのだが、青年が霊夢の唇を苛めだすと 霊夢の体中に甘い電気が流れてしまう。 その電流が霊夢の思考を麻痺させてしまい、そのために宙に浮かぶための集中力が途切れてしまうのだ。 青年も経験豊富というわけでは無いし、取り立ててキスが上手というわけでもなかった。 ただ、青年は紅魔館の図書館で上手なキスのやり方を調べただけ。 それでも知識も経験も無い霊夢を翻弄するには十分過ぎた。 3度目のキスを始める前に、霊夢は相も変わらず頬を赤く染めながら上目遣いに青年を見上げて―――― 「ねぇ……」 「ん?」 「や、やっぱり……して欲しいんだけれど…」 「ん~、だって飛べるんでしょ?」 青年はニヤニヤしながら霊夢に言った。 「い、意地悪っ……」 「意地悪なのはどっちだよ、逃げ場のない空中で人を脅迫しといてさ」 「ぅぅ……」 頬を赤く染めながら小さく呻き声を上げる霊夢があまりに愛らしいために、青年の心にかつてない危険な情欲が湧きあがってきた。 もう少しいじめてみるか……と、これ以上ない意地の悪い意思をその眼に孕ませて―――― 「さてと……終わったしお茶でも飲もうかな」 「え、ちょ、ちょっと待って!」 「ん? だって、もうキスしたじゃないか」 本当はもっともっと霊夢の唇を味わっていたい……そんな本心を隠しつつ、青年は霊夢に背を向け神社の方角へ歩きだした。 「……!?」 と、不意に背後から服が引っ張られ、その動きが引きとめられる。 振り返ると、霊夢が俯きながら青年の服を掴んでいた。 「いじ……な…でよ………」 「え……?」 霊夢は、俯きつつボソボソと何事かを呟いている。 青年は、その声をうまく聞きとれずに、些か間が抜けたような声を上げて聞き返した。 「……もう……いじめ…ないで…」 霊夢は、顔を上げながらそう言った。 既に羞恥とキスをやめられるという恐怖によって その眼の端に涙を貯めながらも、必死で青年に哀願している。 これ以上、青年が意地悪を続けると本気で泣き出しかねなかった。 「ふふ……」 青年も、事此処に至っては流石に これ以上焦らすのも可哀想と考えたのだろう。 その顔に、優しげな笑みを浮かべて霊夢の左斜め前に立った。 「えっ…?」 そして、有無を言わさずに右手を霊夢の膝の後ろに、左手を霊夢の左手に回して、軽々と抱えあげた。 「きゃ……!」 「………!」 抱き上げた身体があまりに軽いことに驚くものの、今は霊夢を安心させるのが先決と考えて神社の縁側に向かって歩き出した。 「ちょ、○○! どこに……」 青年は、驚き慌てる霊夢の質問には答えずに縁側に座り、霊夢を自分の膝の上に横座りに座らせた。 そして、霊夢の身体ができるだけ正面に来るように身体を傾けた。 「これで、背の高さ的にはちょうどいいかな?」 「あ……」 青年の膝の上に座っているために、やや霊夢のほうが頭が高くなってしまったが、それでもキスができないというほどの高低差はなかった。 「今度は俺からするけど、いい?」 「う、うん……」 「力が抜けても支えててあげるから大丈夫だよ」 霊夢の心の中を、これ以上ないほどの温かいものが包んでゆく。 ―――― この人はいつもそうだ、どんなに意地悪にしていても最後には私が望むものを優しく与えてくれる。 溢れ止めることができない想いを、霊夢は静かに青年に告げた。 「……大好き」 「俺もだ……」 二人は、互いの想いを確かめ合うかのようにしばし見つめあう。 そして、どちらからともなく互いの唇が近づいてゆく。 ちゅっ…… 啄ばむような柔らかな口づけを数回繰り返したあと、青年は霊夢の唇を少しずつ強く求めだす。 柔らかいけれども緊張で未だ堅さが抜けない霊夢の唇を、青年は優しく解きほぐしてゆく。 その情景をあえて形容するならば、青年が霊夢の唇を優しく食んでいるという言葉がぴったりくるだろう。 二人の感情が次第に次第に昂ぶってくる。 「ふぁ……んっ……」 既に霊夢の頭には霞がかかり、先程のキスとは比べ物にならない程の甘ったるい電流が彼女の頭を痺れさせていた。 霊夢の全身から力が抜けてゆくが、今回は青年の力強い腕が彼女の身体をしっかりと支えていた。 それだけで、霊夢の心は温かいもので一杯になっていった。 「ん……っ」 一方、青年は霊夢の口の中に舌をそっと滑らせた。 未だ引っ込み思案な霊夢のほんのわずかだけ絡めさせる。 そして、青年は霊夢の唇だけでなく舌をも解きほぐそうとした――――その時 「~~~~~!!」 どんっ!! 「うわっ」 突然、霊夢が青年を少し強めに突き飛ばした。 とたんに、二人が作っていた甘い雰囲気が一瞬で冷たいものになる。 「ご、ごめん! やりすぎ――――」 あまりに激しく求めたために拒絶されたのかと、青年の背を冷たいものが包み込んだ。 「ち、違うの、そうじゃなくて……」 霊夢の次の発言は、青年の予想の遥か斜め上を行くものであった。 「口が塞がってて……い、息が……」 その場で肩を上下させながら、荒く息をつく霊夢を青年は眼をパチクリさせながら見つめた。 そして、霊夢が自分を突き飛ばした理由を青年は理解する。 どうやら、口が塞がっていたために息ができなかったらしい。 けれども、それは―――― 「鼻で息しなかったの?」 「……あ」 霊夢が間抜けな声をあげる。 頭が熱病にでもかかったかのように茹って、まともな思考ができなかったが青年の言う通り鼻で息をすればよかったのだ。 とたん、霊夢の顔が羞恥で赤く染まってゆき、青年はその様に噴き出した。 「ふふっ……あはははははは!」 「も、もう! 笑わなくてもいいじゃない!!」 子供のように頬をふくらませて怒る霊夢があまりにも可愛らしすぎて、拒絶されたのかと恐れていた青年の心を和ませ温めてゆく。 「ごめんごめん」 からかうように言いながら、青年は霊夢に再び唇を近づける。 対する霊夢も青年の想いに答えるかのように、青年の唇に自分の唇を重ねた。 霊夢と青年の熱い熱いキスは、まだまだ続く。 『初めてのチュウ 霊夢受編』end ─────────────────────────────────────────────────────────── 7スレ目850 「と、いうわけなんだよってこーりん聞いてるのか?」 「ああ、聞いてるよ、霊夢が可愛いんだろう」 「そうなんだよー、昨日なんか膝枕して耳掃除してたらやたら可愛い声を出してな その……なんて言うか性欲を持て余すwww」 「そうかい、でも落ち着けスネーク、ここで興奮しないでくれはたから見たら誤解される」 「失敬な、俺は霊夢のこと以外では興奮せんぞ」 「はいはい、ご馳走様」 昼過ぎに本を読んでいた僕の所に突然転がり込んでさっきから惚気まくっているのは つい半年ほど前に幻想郷に迷い込みそのまま博麗神社に住み始めた○○というごく普通の少年だ 当初はしばらくしたら外の世界に帰ると思われていたが 何を間違ったのかあの霊夢と恋仲になってそのまま住み着いてしまったのだ 「それで君は惚気話をしに来たのかい?それとも買い物に来たのかい? まあ後者は殆どないだろうがね」 「なんかえらく棘がある言い方するじゃないか」 「事実だろ?現に君がここに来て買い物をしたことは一度もないじゃないか まあ品物を強奪する連中に比べればましだけど」 「あ、あははははは」 「笑わないで君からも霊夢に店のものを持っていかないように言ってくれないか? 君が言ったら効果があるだろうし」 「気が向いたら言っておくよ、さってっと」 「もう帰るのかい?」 「ああ、なんか読書の邪魔しちゃったみたいだし それにそろそろ霊夢分が不足してきた」 「そうかい、ご馳走様」 「お粗末さまです、じゃあまた今度なこーりん」 そう言うと彼は神社の方に帰っていった 「まったくまさかあんなバカップルになるとはね」 霊夢も霊夢で色々と惚気ているもっともその対象は僕だけじゃなくもっぱら魔理沙や紫が対象らしいが 「この調子だとそろそろ指輪も要るだろうな、多分店にないか?って聞きに来るだろうし作っておくか まあその前に渋いお茶でも入れて飲もう、さんざん甘い話を聞かされたんだ胃がもたれてしまうよ」 そう考え僕は台所にお茶を入れに行った ─────────────────────────────────────────────────────────── 7スレ目 964 「霊夢・・・」 「あら○○こんな時間にどうかしたの?」 「カレーを作ったら・・・米がなかった」 ○○はとても落ち込んだ表情でなべを抱えていた 「ご飯余ってたら分けて欲しいんだが」 「運がいいわね、今からおかずを作るところだったのよ、これで手間が省けたわ」 「すまぬー」 「早く上がって、お腹すいたわ」 「おう霊夢、悪かったなーこの借りはいつか必ず」 「そんな事言って、いつになる事やら」 「はっはっはこやつめ」 「じゃあ・・・一つ頼みを聞いてくれるかしら?」 「?ああ、俺に出来ることならば」 こういうことは恥ずかしがって言うより一気に言ってしまったほうがイイに決まっている 深く息を吸い、頼みを言った 「私とキスして」 「へ?えっあー・・・そ、そういう冗談は良くないぞ、うん」 「・・・」 霊夢は俺をじっと見ている、その眼はいつになく真剣だ 「冗談・・・だよな?」 霊夢は何も言わず俺に近寄って目を瞑った これはいいのか!?いいのですか!霊夢さん!しちゃいますよ!?いいですね!こたえはきかないけどね! 「んっ・・・あっんちゅんんんーふぁ」 霊夢が近い、彼女の吐息がかかる距離、これはヤバイ 人生初めてのキスが此処まで官能的なものになるとは思っていなかった 俺は我慢できずに霊夢を抱きしめて、そのまま押し倒した 霊夢は驚いて俺を見ていた 「霊夢、俺はいでっ」 霊夢にでこピンされた 「馬鹿、がっつかないでよ」 「あー・・・すまん、ごめ」 俺の言葉は彼女のキスに阻まれた 「ん!?ぷはっ霊夢!?」 「これで許してあげる」 彼女は笑っていた これは反則だ、これで惚れないわけがない、それ位いい表情だ 「霊夢、俺さお前の事が―」 そうして俺らは3度目のキスをした ─────────────────────────────────────────────────────────── 7スレ目968-970 ○○が香霖堂に住み着いて早半年。 この世界に迷い込み、レミリアに戯れで捕獲されて紅魔館へと。 その後三回ほどお嬢様のお食事にされたのだが、ここで困った事が起きた。 彼は慣れてしまったのだ。吸血行為にもそうだが、この異常な世界に。 黒白の魔法使いが侵入してきて、魔法やら弾幕が飛び交う。 オマケに時と空間を操るメイド長や、何処からともなく表れるスキマ妖怪。 それに比べれば吸血鬼のお嬢様など可愛いものだ。血を吸う以外に害はないので。 が、それがいけなかったのだ。何せお嬢様はグルメなお方。 自分を恐れる者の血しか吸わないらしく、そうなると食料としては○○に価値はない。 かといって彼に何かが出来るわけでもないのだ。 そんなわけで彼は香霖堂に引き渡されたのだ。代金代わりとして。 それを渋々ながら受け入れてしまう霖之助にも問題があると思うが、追い出されるよりはマシだ。 今では○○もここでの生活に馴染み、霖之助に外の世界の話を聞かせたり、店番したりしながら暮らしている。 何事も慣れと言う事なのだろうか。 「やあアリス。いらっしゃい。お茶でも飲んでくかい?」 「結構よ。それより、霖之助さんはいないの?」 「商品探しのついでに買い物に出かけてるよ。俺がいるせいで食料の消費が早いからね」 ○○と二人っきり。そう意識してしまうと、体温が上がっていくのがアリス自身にも分かる。 もっとも、彼女はそれを期待してほぼ毎日の様に香霖堂に足を運んでいるのだが。 彼女は○○の数少ない友人だ。元々香霖堂に訊ねてくる者が少ないため、必然的に交友範囲は狭くなる。 それはそれで寂しい事だとは思うが、外は一般人の○○では気軽に歩けぬほど危険が一杯。 そして彼は自ら危機に飛び込むほど間抜けでもマゾでもないので、今の状況で満足している。 まあ、ほとんどが異性なので同性の友人も欲しいと思わなくもないが。 「で、何をお探しで?」 「何時もそう言うけど、貴方は店の事分かってるの?」 「整理くらいは手伝うんだけどね。イマイチ覚えてないな」 「なら言わない事ね。何時も通り、勝手に見させてもらうわよ」 ○○の軽口を受け流し、アリスは店内の物色し始める。 本当は探している物などないので下手にその辺りを探られると困るのだが、どうやら上手く誤魔化せたようだ。 内心で胸を撫で下ろしながら、アリスは○○を盗み見る。 店番がよほど暇なのか、彼はお茶を飲みながら退屈そうに本を読んでいた。 何か話を振ってくれてもいいと思うのだが、生憎○○はそんな気の利く人間ではない。 だがそれでいい。前から、二人が出会った時から何時もこんな感じだった。 そうして静かな時間を二人で共有する。 偶に話題が浮かべばどちらかともなく振り、それ以外の時は沈黙を保つ。 何時しか、それが二人の間に出来たルールだった。 「いらないって言ったでしょ」 「そ、だから紅茶を淹れたんだ。こっちの方が君は好きだろ?」 背後から気配を感じて振り返れば、ティーカップを持った○○の姿がった。 彼を盗み見ていたのがバレたかと内心で心音を高鳴らせながら、アリスは静かにカップを受け取る。 ○○がせっかく淹れてくれたものなのだ。口でどうこう言おうと、付き返したりはしない。 と、言うよりもしたくない。 「……○○って紅茶好きだったかしら?」 「いいや、全然。俺はお茶の方がいいよ」 霖之助も紅茶は飲まない、というよりアリスは彼が紅茶を飲んでいるところを見た事がない。 だから当然紅茶など置いてないものかと思っていたが、事実とは違っていたようだ。 「なら何でこの店に紅茶があるの?」 「僕が買ったからだよ。勿論自腹で」 彼が紅茶が好きではない。にも関わらず、身銭を切ってわざわざ購入した。 ほとんど居候状態で、収入と言えば稀に魔理沙とキノコ狩りに行ってそれを売るくらいしかない○○が、だ。 よほど大切な誰かのために買ったのだろうか。そしてその紅茶は彼女のために淹れられている。 「ねえ……何で……」 「俺の数少ない友人なんだ。何時も世話になってるし、気にしないでくれ」 そう○○は簡単に言うが、意識しないわけにはいかない。 これはつまりアリスのために買われた物なのだろう。そう考えると、頬が熱くなる。 そういえば彼の腕時計が無くなっている。これを霖之助に売って紅茶を手に入れたのだろうか。 若干興奮を抑えられずに○○の方を盗み見れば、彼は平然と本を読み出している。 自分だけ意識しているのが悔しく、意地でも悟らせまいとアリスは気合を入れ直した。 「……淹れるの下手ね」 「ほっとけって。こっちは器具も何もないし、色々面倒だったんだぞ」 「言い訳しても味は変わらないわ」 それは嬉しいとは思うが、それと同時に申し訳なさも感じてくる。 アリスは頬を染めたままカップに口を付け、紅茶を啜る。 収入のほとんどない彼が自分のために買ってくれた物だ。 どんな下手糞な淹れ方でも、美味しいと感じてしまう。 それでも素直になれない自分に嫌気がしつつも、アリスは沈黙を保った。 そしてアリスは一人考える。こうしていると結構良い雰囲気だと思うのだが、彼はどう思っているのだろうか。 直接訊くほどの勇気はなく、こうした曖昧な関係が続いている。 「あら、アリスじゃない。また来てたの?」 「そういう霊夢こそ暇そうね。巫女としての仕事はないの?」 と、モタモタしていたらアリスにとって嫌な客が来てしまったものだ。 このところ彼女との遭遇率が高く、せっかくの二人っきりの時間が台無しだ。 「やあ霊夢。お茶と茶菓子でも出すから商品の強奪は止してくれよ」 「失礼ね、それじゃあ私が何時もそんな事をしているみたいじゃない」 「その慎ましい胸に手を当て、今の言葉をもう一度よく考えてみるんだね」 自分には茶菓子の誘いはなかった筈だが、霊夢にはあるのか。 小さな嫉妬心を抱きながら、アリスは頬を膨らませる。 これ以上ここに居ると精神的によろしくない。 いや、○○と霊夢を二人っきりにするのも嫌だが、ここに居ると嫉妬心で本音を晒しかねない。 既に霊夢はアリスの事を気にしていないのか、○○が咥えていた煎餅を手を使わずに掠め取って満足気に頬張っている。 そうして、○○の直ぐ隣に腰を下ろしてお茶を啜る霊夢を睨み付けると、アリスは黙って香霖堂を後にした。 悔しいので今日の紅茶の礼として、○○を家に案内しよう。今度、いや明日にでも。 彼を家に招待するのは初めてだ。だが関係の進展のために、邪魔者が入らない様にするためにも必要なこと。 足音が鳴り響きそうなほど大股で力強く歩きながら、彼女は拳を握り締めた。 「……霖之助さん、○○が何処へ行ったか知らない?」 翌日、店内に○○の姿が居ない事を確認し、アリスは不機嫌そうに霖之助に尋ねる。 基本的に○○が一人で外出する事はない。何故なら彼一人では魔法の森を抜けられないからだ。 と、なると誰かと一緒という事になり、彼を連れ出すよう様な知り合いは女性しかいないわけで。 せっかく決心したにも関わらず相手がこれでは、アリスの機嫌が急激に傾くのも無理はない。 「ああ、彼なら霊夢に持っていかれたよ」 「持っていかれた?」 「そう。これ貰っていくわよって言うと、彼の強引に手を引っ張って行ってしまったよ」 何だそれは。一瞬アリスは呆然となるものの、直ぐに怒りの炎を燃やす。 霊夢は貰っていくという表現をしたのだ。借りていくではなく。それはつまり、返す気がないと言う事に他ならない。 「何で止めなかったのよ!」 「止めはしたさ。だが困った事に、彼女が店の商品を勝手に持ってくのは今に始まった事じゃない」 「……何時からこの店は人身売買を始めたのよ」 「たぶん、彼が始めてこの店に来た時からかな」 こんな事なら自分が買っておけば良かった、などと危ない事を思いながら、アリスは香霖堂の戸を乱暴に閉めた 本音を悟られたくないなど、そんな事はもうどうでもいい。 とりあえず、あの年中頭が春の巫女と決着を付けなければ収まらない。 両の拳を握り締め、アリスは全力を以て神社へと直行する。 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ559 ――ドガガガガガッ 穿たれる木々、抉れる地面、暴風よろしく荒れ狂う弾幕。 ボヒュ、というあまり精神的によろしくない音とともに、隣の木が消滅した。 「~~~~っ」 声にならない叫びをあげる俺。ヤバい、マジで洒落になってねぇ。 「○~~~○~~~~? 怒ってないから出てらっしゃーい?」 背中を預けた木のさらに後方から、天使のような声が聞こえる。 恐らく極上のスマイルも浮かべているのだろう。聖母の慈悲のように。 だが俺は知っている。その声の裏には120%の殺意が込められていることを。 「ウソつけっ! お前今出てったら確実に俺の事消すつもりだろ、霊夢!」 叫ぶだけ叫んだ直後、別の木の陰へと素早く移動する。(黒光りするアレのように) それと時を同じくして、先ほどまで背中を預けていた頼りなき相棒が文字通り吹き飛ぶ。 「チッ、外したか」 舌打ちと共に声が聞こえる。 うわ、黒っ。 こうなっているのも元はと言えば俺のせいなのだが…… 「納得いかねぇ!」 やり場のない怒りを、空に向かって放った。 ~15分程前~ まだ何事も起きていない、平和な時間。 俺は博麗神社への石段を5段飛ばしでのぼっていた。 常人…そもそも一般的に人間と呼ばれる存在がこの神社に来るかは甚だ疑問だが もしいたとしても、俺の事は風が吹いたようにしか感じないだろう。 空を飛んでも構わないのだが、実は飛翔術はちょっと苦手だったりする。 "飛ぶ"ことはできるのだが、速度や方向のコントロールがいまいちきかない。 慣れればいいだけの話だけなのだが、どうにもセンスというかそのあたりが欠如しているようだ。 以前飛行中に激突事故を起こしてからはあまり飛んでいない。 「よっ…と」 忌まわしき記憶を思い出しているうちに、頂上に辿り着く。 境内をざっと見回した限りでは人が見えない。巫女は留守か? 「おーい、霊夢ー? いるのかー?」 返事はない。 まったく、指定された時間に荷物を運んできてやったというのに。 「いないのか……、ま、荷物だけ置いておくか。金は後日……」 (払ってくれるのかな、ちゃんと) 一抹の不安を抱かないでもなかったが、生憎と次の用事まであんまり余裕がない。 裏手に回って彼女がいつも生活しているスペースに上がりこむ。 仕事以外にも割とお茶を飲み来たりと何だかんだで付き合いはある。別に怒られはしないだろう。 玄関に放置、というのも不安なので彼女の部屋まで持って行くことにした。 「ちーっす、○○陸運、お荷物をお持ちいたしま…し……た」 人がいようがいまいが挨拶だけは欠かさないのがモットー…なのだが。 この時ばかりは、さすがに固まった。 目の前の少女も、固まった。 何しろ目の前の少女は 着替え中だった。 床に置かれた巫女装束一式に、危険なまでにはだけたサラシ。 色々危険なエリアまで見えそうで見えないのが憎らし…って何考えてるんだ俺。 正直目の遣りどころに困ったが、逸らしたら負けな気もする。 停止することきっかり3秒、思考をフル回転させる。 「頼まれていた荷物はこれだ。次の荷物を運ばなきゃならないから、今日はこれで」 あくまで無表情を装い、業務連絡を告げている間にも彼女の顔は停止したまま赤く染まっていく。 それは羞恥なのか、怒りなのか。 ただ、俺の命がヤクいぜYeah! とシックスセンスがブレイクダンスをしているのだけは確かだった。 荷物を近場の机の上に置き、後ろを振り向き、扉を閉め。 「失礼いたしましたァーーーーッ!」 業界最速と呼ばれるブン屋にせまる勢いで走り始めた。 「っきゃああああああああああああああ!!!」 普段のさばさばとした態度とは裏腹に割と可愛らしい叫びが背後の遥か彼方から聞こえる。 (あいつってあんな声も出せるんだな…っと、今はそれどころじゃねぇ) どこへ身を隠そう。 ――石段を駆け下りる途中から脇の森に飛び込み、 隠れ場所を探していたら直径10m程の陰陽玉が降ってきて。 慌てて逃げて木陰に隠れて、後は先述した通りだ。 少しずつ、少しずつ移動しながらの逃走劇。 こっちは命がけの隠れ場所探し。 かたやアイツはサーチ&デストロイ(常時弾幕展開つき)。 (くそ、このままじゃジリ貧か……) 舌打ちすら満足に打てない(居場所が特定される)。 (嗚呼、明日の朝日は拝めないのか、俺……ん?) 自らの不運と現在の状況を嘆く。 ――と、ふと俺の鼻が"敵"の匂いをかぎつける。 半獣の身である俺は、人よりもモノの匂いと音に敏感である。 霊夢も人の身としては随分と目鼻が利くハズ……なのだが。 ボヒュン! と真横をまた弾が通り抜けていく。 (あの冷静さを欠いた怒髪天っぷりじゃなぁ……) 気付いているわけが無いだろう。 さて、どこにいやがるかな。 後ろからは相も変わらずド派手な弾幕が迫ってきている。 それでも、敵がいる以上は位置を掴んでおかなければならない。 (――いた。うぁー……マジすか) どうやら敵は俺の後方。つまりは霊夢のさらに後ろから寄ってきているようだった。 さらに言うなら俺のことはアウトオブ眼中、霊夢の方へと一直線。 大方、普段散々妖怪退治をされている側からの仕返しといったところか。 普段だったら、そう、普段通りだったなら。 アイツはさっさと気付いて妖怪を返り討ちにしている。 しかし今では、近づいてきていることすら気付いていない。 助けに行くか、否か。 行くとなれば、まずは霊夢の弾幕から乗り越えていかなければならない。 行かない場合は、俺の寝覚めが悪い。 「あーもう……しょうがないな!」 伸びきっている髪をがしがしとひとかき。 霊夢の方へ向き直り(依然身は隠したままだが)、走り出す体勢を取る。 件の化物は霊夢まであと十数メートル。もう余裕はない。 一瞬の弾幕の隙間をつき、駆け出す。 前へ、もっと前へ。 誰よりも早く! 地面を軽く抉りながら足を踏み込む。 霊夢が俺の姿を捉える。 鬼面が見えたが構わない。そのまま距離をひたすらに詰める。 そんなことよりも、今は優先しなければならないことがあるから。 ようやく異変に気付いた霊夢の元へ辿り着いたのと、化物が腕を振り上げたのはほぼ同時。 「すまん、霊夢」 着替えの場に遭遇してしまったこと、それと今からすること。 それらの謝罪を一つに込め、霊夢を突き飛ばす。 直後、その景色が勢いよく横に流れた。続いて地面に激突する衝撃。 (あっははは……してやったぜ……) 混濁する意識、真紅に染まる視界の中、駆け寄ってくる霊夢の姿が見えたあたりで 俺の意識は完全にブラックアウトした。 「……痛……」 「あら、目は覚めましたか?」 目が覚めて見えたのは何度か見たことのある天井。 確か永遠亭の病室だったか。 「俺は……生きてるのか」 あの状況でよくもまぁ、と溜息一つ。 「私の腕を疑っているのかしら? ふふ」 助かって当然よ、という感じで微笑んでいたのは おそらくこの幻想郷で最高の腕を持つ医者、永琳だった。 「俺、どれくらい寝てました?」 大体の身体の鈍り具合で調子をはかる。 「運ばれてきてからをカウントするなら2日は寝てたわね。……どう? どこか調子悪いとこはない?」 「ん、別に……さすがに意識が吹っ飛ぶ勢いで殴られた後だからか、あちこち痛いけどね」 「そう」 慣れた手つきで手元のカルテに色々と書き込んでいく。 「一ヶ月は安静してないとダメですからね」 そういって病室から出ていく永琳。 「あ、そうそう」 出て行ったと思ったのだが、ひょっこり顔だけ覗かせてきた 「何ですか?」 「礼を言うならそこの彼女に言うのね。血塗れの貴方を背負ってきたばかりか 貴方が起きるちょっと前まで、寝ずに看病してたのよ?」 それじゃね、とひらひら手をふり、彼女は今度こそ病室を出て行った。 そこの、と指差された先にいたのは……すやすやと眠りこける霊夢だった。 「すー…」 人の枕元で寝息をたてている彼女は、とても無防備で。 「とりゃ」 思わず頬をつまんでしまった。やわらけー。 「ふにゃ?」 「おはよう、霊夢」 とりあえず自分にできる中では最高の部類に入る笑顔を浮かべる。 痛みで少々ぎこちなくはあるが、及第点だろう。 「あれ、○○……おはよ…う……!?」 現実を認識したのか、顔が耳まで赤くなる。 同時に俺から全力で飛びのいて壁に後頭部を打ち付けた。 (なんてお約束な……) 苦笑するしかない。 「頭を抑えて悶絶する霊夢。しかし彼女の心境は痛みよりも、 寝顔を見られたショックでいっぱいなのだった。まる」 「オペすんなっ」 がばっと顔だけ上げて抗議する霊夢。顔はまだ赤い。 頬に愛の手形をもらうことで、彼女を落ち着かせることに成功した。 全身に残る傷よりも痛いのは、きっと気のせいだ。 「……で、傷の具合はどうなのよ」 「肋骨が何本か折れてたらしいね。永琳先生の薬と処置でなんとかなったみたいだけど」 「どうしてあんな無茶したのかしら?」 「いやあ、面目ない。かわせると思ってたんだがなー」 「私があんな雑魚に遅れを取るとでも?」 「現に後ろ取られて、俺が突き飛ばすまで気付いてなかったのはどこの神社の何巫女様ですかー?」 「ぐっ……でもそれは元はといえばアンタが…っ!」 「まあまあ、こうして生きてるんだからいいじゃないか」 はっはっはっ、と笑おうとして 「痛っつー……」 怪我人だったことを思い出した。 「ほんとに大丈夫なの?」 「お、おう……任せておけい」 「まったくもう」 しょうがない人ね、と溜息をつく霊夢。 「ここまで運んでくれたの、お前なんだってな」 「血塗れの知り合いを放って置くほど冷血じゃないわ」 「ありがとな。何にせよ助かった」 「……お礼を言いたいのは私の方よ……」 「ん? 何か言ったか?」 「なんでもない!」 「変な奴」 「変なのはアンタの方よ……私なんかの為に身体張って」 む。今のは聞き捨てならんな。 「なんか、とはなんだ。 お前は俺にとって大切な奴の一人なんだぞ」 だから自分を貶めるな、と続けようとして。 傍らの巫女の目に涙が浮かんでいるのが見えて、言葉が詰まった。 「戦闘にそんなに慣れてるわけでもないのに無茶して飛び出して、血塗れになって。 呼びかけても揺すっても起きないし、このまま死んじゃうんじゃないかって思ったわ。 アンタが居なくなったら、私は……」 そのまま俯いて黙ってしまった。 しばらく目を泳がせた後、ぽんぽん、と霊夢の頭を軽く叩く。 「俺はどこにもいかないし、そう簡単に死にもしないさ。 走るくらいしか能はないけど、好きな奴のためなら身体くらい張るんだぜ」 それに、と付け加える。 「俺には天下の博麗山の巫女の加護がついてるんだぜ。ばっちりだろ。な?」 親指をたてて、笑みを浮かべる。 ようやく顔をあげた霊夢は、うっすらとうかべていた涙をさっと手で拭うと 「ぷっ……馬鹿ね。アンタやっぱり馬鹿だわ」 こんなことを抜かしやがった。 「む、失礼な」 どうしようもない馬鹿なのは自覚しているが、他人に言われるとちょっとムカつく。 「しょうがないからその馬鹿が治るまで、一緒に居てあげるわ」 そう言って、極上の笑みを俺に向けた。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 8スレ目 23 「霊夢!たとえどんな世界だろうと俺はお前のことが好きだ!」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 8スレ目 35 「霊夢、お前が好きだ、悪いが魔理沙やアリスにくれてやるつもりはない!もう一度言う。俺はお前が好きだ愛してる結婚式を我が家であげよう」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 8スレ目 71 魔「おーい○○いるかー?」 ○「居るか居ないかを聞きながら入ってきてんじゃねーよ」 魔「なんだぁ、やけに機嫌が悪そうじゃないか」 ○「お前には関係ないだろう、それよりお前こそやけにボロボロだな 弾幕で誰かに負けたか?wwww」 魔「弾幕ごっこじゃないけど霊夢にやられたぜ」 ピクッ ○「…………ふぅん、霊夢に、ね」 魔「霊夢もやたらと機嫌が悪くて神社に入った瞬間に針やら陰陽玉やら飛んできたぜ」 ○「そりゃ災難だったな……」 魔「まあ恋人同士のことにわざわざ口出すのも野暮だけどこれだけは言わせろ 私が霊夢に『○○と何かあったのか?』って聞いたら泣きそうな顔で夢想封印を撃ってきたぜ」 ○「……っ!?泣きそうな顔でか?」 魔「ああ、泣きそうな顔で」 ○「そうか……」 ガタッ 魔「ん?どうしたんだ?」 ○「ちょっと出かけるだけだ」 魔「そうか、じゃあついでに送ってってやるぜ、どこだ?」 ○「決まってるだろ、博麗神社、霊夢のところだよ!」 喧嘩した○○と霊夢の仲を取り持つ魔理沙を書いてみた しっかしこれ○○×霊夢なのに霊夢は出てこないしイチャついてないしで いいのか?これ ─────────────────────────────────────────────────────────── 8スレ目 109 ○「霊夢~♪」 がしっ 霊「きゃ!?○○?」 ○「あ~霊夢っていい匂いがするな~」 霊「こ、こら!くすぐったいから離しなさいよ!」 ○「霊夢が可愛いから嫌」 霊「答えになってない!」 ○「俺が霊夢といるのに答えなんかいらないし理由だって要らない」 霊「……アホじゃない」 ○「そんなこと言って、本当は嬉しいくせに」 霊「…………馬鹿」 ○「で、このまま抱きしめてていい?」 霊「…前から」 ○「ん?」 霊「抱きしめてもいいから前からして。 ○○の顔、見えないし」 ○「了解」 ───────────────────────────────────────────────────────────